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夢なら夢で


ウエスターレンに連れられ、ダイヤはイザマーレの屋敷に戻った

しかしダイヤは、どうやってイザマーレと会えばいいのか分からなかった。

飛び出したままノコノコ帰って来て…1人で会うのは気まずかった

ダイヤの気持ちを察したのか、ウエスターレンも一緒に中に入ってくれた



「イザマーレ、ダイヤを連れて帰って来た」

「ダイヤ!」

イザマーレはホッとしたように抱きしめた


「……後はお前らで話せ」

ウエスターレンは部屋から出ていった。


「……閣下…どうして言ってくれなかったんですか?

リリエル様が妻だってことを…」


話を切り出したのはダイヤだった


「知っていたら髪にも乗らなかったし…愛契約すらしなかった…

契約した時は心から嬉しかった。やっとお傍にいれる…いつまでもと…」

ダイヤは泣いていた


「…大切な方がいるのに…何て最低な事で私は喜んでいたのか…

リリエル様を悲しませて…」


「それがリリエルの願いだったからだ。リリエルがお前にいて貰いたいと…」


「リリエル様が言わなければ、閣下は私になんか見向きもしないですよね?

で?おねだりされたから愛契約結んだと?…私には分かりません!

確かに閣下もリリエル様も大事です!

でも、好きでもない私に愛契約したのは、仕方なしですよね?

そう捉える私が間違えなのでしょうか?」

ダイヤはイザマーレの話を遮り、言い放つ。


そして、イザマーレから離れた


「…閣下…申し訳ありませんが…人間臭い馬鹿な私は、

閣下の元に居ることは出来ません。

リリエル様と会うことすら、恥ずかしくて出来ません…」



 

「本気で言ってるのか?ダイヤ。」



「えぇ本気で言ってます!どす黒い気持ちなら、こんなに泣かない。

恥ずかしくって…情けない自分に泣いてるのです…」


「…ダイヤ…」


「…閣下…本当に今まで有難うございました。どうか…リリエル様を大切に…

どうか、閣下が仕方なく愛と忠誠を誓わせた馬鹿な女など忘れてください…

言われなくっても忘れるか…」

ダイヤは泣き笑いしながら言い捨て、扉を開けた


「待て!どこに行く!」


「…だから!その優しさで心をえぐられるから!もう何も聞かないでください!」

ダイヤはそのまま消えて行った



ため息をついているイザマーレを、ウエスターレンが慰める。

「…まあ今は、そっとしておくのがいいんじゃないか?

あいつの気持ちも分からなくないしな」

「……」


「それより、お前が喜びそうな情報を仕入れてきたぞ。

まあ…これは楽しみにとっておけ。

そんなに時間はかからないだろうから」

「?」

含みを持たせたウエスターレンを不思議に思いながら、身を委ねるイザマーレ。



その時、とてつもなく強い波動を感じ取った2魔

「!」


その波動の在処を確かめ、驚くイザマーレ

「…リリエル……」



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