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大魔王の夏休み


ある日の夕食時

ダンケルとダイヤは食事をしていた。

ガッツリと食べ終わり、ダイヤは満足顔でお茶を飲んで

ご機嫌だった。


「夏休みを取った。行きたいとこはあるか?」

ワイン片手にダンケルは言った。


「え?行きたい所?」

驚いて、お茶を飲みながらダンケルを見た


「どこでも連れてってやるぞ?」

「本当に?だったら人間界で私が育った所の

花火大会が…見たいな……

人間界だから駄目かな?やっぱり…」


しょんぼりしながらダイヤは力なく話す。


大魔王を人間界へ行かせるなら、

イザマーレの耳にも入れておかなければならない。


「もちろん〜いぃよ〜」

ダンケルはクスクス笑っている。


滅多に遊びに連れて行けと言わないダイヤが

希望を言ってきた事が

ダンケルは嬉しくて仕方がなかった


「…うん…でも…魔界に陛下が居ないのはまずいし…

閣下にも話さないと…」


ダイヤはコップを置きながら呟く


「人間界の時間は魔界とは違う。

人間界の1日はこっちの時間では数時間だ。気にするな」


ぱっと明るい顔を見せたダイヤにダンケルは微笑んでいた。


「…麗ちゃんと…デートしたいな…💕」


照れながら言うダイヤを抱き上げ

プライベートルームの扉を消した




 

次の日、ダイヤは仕事の後にイザマーレの屋敷を訪ねた。


やっぱり花火大会の事をイザマーレの耳に

入れておきたかったのだ。


今回は特に、ダイヤがダンケルにお願いした事だ。

勝手な行動して後々怒られるのはダイヤなのだ。

絶対に避けたい…


そう思いながら屋敷の扉をノックしようとした。


「いらっしゃい!ダイヤ様、お待ちしてましたよ!」

リリエルが先に扉を開けた。


「リリエル様…すみません💦閣下とお話がしたいのですが…」

ダイヤが言ったと同時にイザマーレがリリエルの後ろに姿を現した


「…どうしたのだ?」


いつもならリリエルと会えば抱きつくダイヤが

様子が違うことを察知したようだった。


「ここではなんですから、どうぞ中に入って」

リリエルがダイヤの手を引いて屋敷に招き入れた


人間界に行く事をイザマーレとリリエルに告げたダイヤ


「陛下は気にするなとは言っていたのですが…

私が行きたいと言ったので…」

イザマーレの目を見て言った。


「…ほぅ…で、お前が言いに来たってことか」

イザマーレはニヤニヤして言った。


いつもなら勝手に行動する2魔。

後々叱られると分かっているダイヤが報告してきたという

魂胆すら読み取られていた



 

「それで…もう一つ…閣下やリリエル様、長官にも是非とも

私が育った所の花火大会を見に来て頂けませんか?」


ダイヤは笑顔で言った。


やっぱりイザマーレ達にも見てもらいたいと

前から思っていた事だった。


「いいの?是非行きましょうよ!閣下💕」

「…リリエルが言うのなら仕方ないな✨」


やはり、リリエルに話を聞いてもらって良かった…


ホッとした顔を見せるダイヤ


リリエルの一声で花火大会も一緒に行くことになった。





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