ベルデが応急措置を行い、ダイヤは一命を取りとめたが
危機的状況に変わりはなかった。
ダンケルはイザマーレを魔宮殿に呼び出した。
イザマーレは魔法陣で姿を現し、頭を下げる。
「お待たせしました。如何なさいましたか」
ダンケルは王座に座り、冷徹に話し出す。
「イザマーレ…お前に任務だ」
「何なりとお申し付けください。どのような任務でしょう?」
「ダイヤを殺めろ」
イザマーレは驚いてダンケルの言葉に固まった
「…聞き間違いでしょうか。今、何と?」
「ダイヤを殺せと言った」
「…そのようなこと、御自身の手でなさればよろしいのでは?」
今度は何を言い出したのかと、ため息をつきたくなるのを堪え
イザマーレは冷静に問いただす
ダンケルはイザマーレから目を反らし、今までの事を話し始めた。
「意識が朦朧としていたのだろう…
幻覚を見たのか、お前の事を呼んでいた。この私を見てだ!
このまま命が消滅するのも、そう遠くないだろう。
苦しみが酷くなる前に、お前の手で逝かせてやれ。
命令だ。明日にでも実行せよ。以上だ」
「……」
「あいつは私にとって既に戦力外だ。必要がない。」
イザマーレを横目にダンケルは姿を消した
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