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孤独に光る


リリエルの持つ無償の愛

そこに刃が向けられた時、

リリエル自身の意図しないところで、

周りの空気を一変させてしまうのだ


(…そう。確かにあの時も、

同じように悩み、孤独に苦しんでいたな。)


キャンプファイヤーで俯いていたリリエル…


まだ幼さの残る、中学生の頃の姿を思い出し

イザマーレは静かに微笑んでいた




 

(…お前の出番だな、イザマーレ。大事な姫君を救ってやれ)


(もちろんだ。お前も一緒にな。ウエスターレン…)


すぐ傍で見守っていたウエスターレンと、目配せし合う


怒髪天に、今までにない力が漲る


強大すぎる魔力。大悪魔としての宿業


煩わしく疎ましく、背負った宿命を恨んだこともあった

だがそれが、最も大切なものを守るために尽くせる力であるなら

これほど嬉しく、誇らしく思えることはないだろう


厳かなオーラを解き放つイザマーレの姿に、

その場に居た誰もが、見惚れていた


1魔、涙で濡れた瞳で見つめるリリエルを引き寄せ

優しく抱きしめる


「リリエル。お前の孤独を救うためなら、

いくらでも吾輩が、世界を塗り替えてやる

厄介でしかなかった言霊の力だが

お前のために活かせるなら、誇りに思う。

それこそが吾輩に与えられた役割だからな。」


「!!/////」


イザマーレの言葉に、涙が溢れ出し

声にならないリリエル


「どうした?お前のおねだりなら、

いつでも応えてやってるだろう

遠慮はいらない。いつでも吾輩に甘えればいい。良いな?」


笑顔になり、リリエルの髪を撫でる


「…閣下……/////」


リリエルは恥ずかしそうに俯いて、イザマーレに抱きついた


「俺のことも、忘れるなよ?」

ウエスターレンが近づいて、リリエルの髪を撫でる




 

「どうだ?リリエル。今回はかなり、

王子になってやったつもりだが?」


共に微笑んで、リリエルの目を覗く2魔


「……カッコ良すぎです……もう……///」


はにかみながら、笑顔を浮かべるリリエル


「よし。元気になったな?

続きは旅に出てからのお楽しみだな♪」


「ちゃんと用意してあるか?すぐに出発するぞ?(笑)」


「…!え……(汗)」


揃ってニヤニヤし始める2魔に、リリエルは焦り始める


「ま、何も準備してないなら……

我々が勝手に決めるだけだな♪」


「!や、やだやだ!自分で決めますぅ!

待って…キャー、どうしよう」


慌てて数日間のコーディネートを考え始めるリリエルに

ため息をつきながら、微笑む2魔。


ここまでの3魔のやり取りを、ただ呆然と眺めていたダイヤ


(閣下ってホント、リリエル様の為なら何でもするなぁ)


そんなダイヤを見つめながら、ダンケルは静かに微笑んでいた


イザマーレの眩しすぎるほどの光。その孤独を

ダンケルは痛いほど理解しているのだ。

光が居場所を見失わないよう、闇であり続けるダンケル

その闇にただ一輪、咲き誇る薔薇…ダイヤ


(お前はそんな事、一生気づかないだろうけどな…)




 

ダンケルは穏やかな笑顔で、雷神帝と挨拶を交わす。

傍に寄り添うダイヤを見た雷帝妃。

「あら?貴女は…

リリにとてもよく似てるけど、オーラが違う…

お名前が一度変わったのかしら?」


雷帝妃の言葉に、雷神帝も改めてダイヤを見る

「…そうか、あの時の……」


しみじみと感慨深く見つめる雷神帝の深い眼差しに

ダイヤはドギマギし始めた



「雷神殿、雷帝妃殿」


そこへ、イザマーレが話しかけてきた



「実はご夫妻に紹介したい者がおりまして。」


「え?ラァードルのかわいこちゃんか?」

パッと表情を変え、目を輝かせてワクワクし始める雷神帝


「あ、いえ。御子息の相手は、後程改めて…(笑)

それより前に、もう一名おります。よろしいでしょうか」


雷神帝の早合点に思わず苦笑するイザマーレ


「な~んだ。イザマーレ君の大切な何かかな?もちろんだよ。」


「リリエル。裕子をここに。」

イザマーレは振り返り、リリエルに呼びかける


「はい。お連れしました。お父様、お母様。

彼女は魔界で暮らす人間、裕子です」


リリエルは裕子に寄り添い、雷神夫妻に裕子を紹介した




 

裕子を見た瞬間、雷帝妃は瞳を輝かせる


「リリのオーラね。私の孫?

いやだあ、私いつの間にか、

おばあちゃんになっちゃったのね(〃艸〃)」


「!!?!?!?!?」


雷帝妃の言葉に衝撃を受け、再び固まるダイヤ



「ハッハッハ!マミィ!

君はいつまでも美しいよ♪誰よりもな♪」


豪傑に笑い、雷帝妃を抱き寄せる雷神帝


愛情の深さを見せつけられ、ダイヤは苦笑いする


リリエルと裕子は共に喜んでいる

イザマーレも笑顔で見守っていた




 

「お~い。そろそろ、いいかな?

親父。約束通り、紹介するよ。彼女。スプネリア。」

ラァードルが声を掛け、スプネリアを紹介した


スプネリアは青ざめ、震えが止まらなかったが、

なんとかお辞儀をした


「すっ……スプネリアと申します…」


「ラァードル。専用ペットにするなら、けじめは必要だ。

きちんと伝えてやれ」


イザマーレが助言する


「うお!そ、そうか…分かった。」


イザマーレの言葉に、ラァードルは慌てて身を正し、

スプネリアの前に立つ


「スプネリア。人間界で出逢った頃から、

当たり前のように傍にいたよな

別に、他の場所に住んでも良かったんだぞ?

でも、お前が居ないと物足りなくてさ。

最初から、お前の事が好きだったんだ。

もちろん、今でも。好きだよ、スプネリア…」


「////////!!?!?!?」


緊張と嬉しさと、衝撃…いろんな事が重なり、

スプネリアは目を回してしまう


「あ~、もう。何やってんだよ、スプネリア。起きろ!」

ラァードルは焦ってスプネリアを介抱し始める



「…やれやれ。後は、どうにか頑張れ。」


呆れながらリリエルを髪に乗せるイザマーレ


「待たせたな、リリエル。では行こうか。

ウエスターレン、行くぞ♪」


皆に見送られながら、立ち去った……






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