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屋敷のお茶会


「リリエルちゃん、いつもお邪魔させてもらってごめんね~」

「ねえ、これ甘くなくてすっごく美味しい!」

「メーラ様、ありがとう!

閣下がお砂糖嫌いだから…でもたまには、甘いもので

疲れをとっていただきたくて……

これね、お砂糖全然使ってないんだよ♪♪」




 

「…ダイヤ様、お茶足りてる?遠慮なく言ってね。」

「あっ、ありがとうございます!リリエル様……美味しくいただいてます」

「クスクス、ダイヤ様は好き嫌いあるけど、これは食べれるみたいね。

これ、お野菜をペーストにして作ってあるんだよ♪」

「マジっすか??めちゃくちゃ美味しいですよ!!!」


昔と変わらず、屈託なく話しかけるリリエルに戸惑いつつ、

素直に会話できる自分に、ダイヤは内心ほっとしていた。


「ああ~でもやっぱり羨ましいなあ、

リリエルちゃん。こんな広いお屋敷で

閣下や長官といつも一緒に暮らしてるなんて……」



「ああ~、でもまたキャンペーンやってほしいな~。

リリエル様~。お願い♪♪」


「キャー!やりたいな~。ダイヤ様、また一緒にやらない?

スーパーヒーローな閣下、素敵よ~♪♪」


カッコいいイザマーレの姿を思い浮かべてご機嫌なリリエル。


「…またか?」


「!えっ、あ//////……」



 

「「「!!」」」


突然姿を現したイザマーレに、驚くLily‘s。


「ただいま、リリエル。」

「///おかえりなさい…」


「「おっ、お邪魔してます、閣下……」」


「よお!相変わらず、ろくでもない話で盛り上がってんのか?(笑)」

イザマーレに続いて姿を現したウエスターレン。


((キャーーーーーーーーー♪♪))


「ふっ、かろうじて女性信者からの熱は、お前より勝ってるみたいだな」

「はいはい。さすが、ウエスターレン長官殿だな。」


冗談交じりに言葉を交わし合うイザマーレとウエスターレンに

リリエルが淹れたてのお茶を差し出す。


「…お勤めご苦労様でした」

「ありがとう。いただくよ。」

Lily‘sたちと同じテーブルについて、一服する。


イザマーレたちの甘いやりとりを、うっとりと見守るLily‘s。


「それであの……またいろいろお願いしても……」

控え目ながらも上目遣いで問いかけるリリエルに、

イザマーレは穏やかに応える。

「別に構わないよ。だが、お前のおねだりということは、

それ相応の報酬もいただくが。」


「えっ!なになに?報酬って……??」

聞きつけて深追いするメーラ。




 

「えっ、あ、あの//////」

真っ赤になって俯くリリエル


「……」


「?あれ、どうしたの?ダイヤちゃん?」

一名、俯いたままのダイヤに気が付いたバナトラが声をかける。


「!あっ、いえ……なんでもないんです」



あの頃となにも変わらないイザマーレたちのやりとりを目の当たりにして

ダイヤは涙をこらえるのがやっとだったのだ。


そんなダイヤの様子を静かに見つめるリリエルとイザマーレ。


「よお!ダイヤ、久しぶりだな!

お前の上司が仕事の鬼で悪かったな(笑)」

屈託なく話しかけるウエスターレン。


「もう~。本当に!長官、なんとかしてやってくださいよ。

ダイヤちゃん、今日もいろいろ大変で……

見るに見かねて、今日はあたしが

引っ張ってきちゃったんです」


「ち、ちがうの、バナトラ様。ごめん、ありがとね……」


任務に疲弊したあまり泣き出したのだと

思い込んだバナトラにホッとしながらも

慌てて訂正するダイヤ。


「もう、あいつ本当にひどいんですよ!!……」


ダイヤをフォローするべく、

一部始終を目の当たりにしていたバナトラが語り出す。



 

「そう……。残念だよね。そういう人。

同じように最高魔軍を愛しているのは間違いないはずなのに。

構成員の皆さ魔がどのような思いで活動されていたのか、

根本的には全く理解できていないのよ

長い時間をかけて、いったい何を見てきたのかしらね」


強い視線で語り出したリリエルに、イザマーレも同調する。


「同感だな。古参とはいえ、悪魔教の教えに真っ向から逆らい、

闘い続けることを放棄している。そんな奴に遠慮する必要は全くない。

立ち向かった自分を褒めろ。ダイヤ。」


「!……はい」


イザマーレに名前を呼ばれ、ようやく笑顔になれたダイヤ。



「やっぱり、無理やりにでも連れてきて良かった!ね!やっぱり

リリエルちゃんに相談するのが一番なんだよ。」


「なんだ、遠慮してたの?いつでも言ってよ。

また女子会にも参加してほしいな♪」


「……はい。ありがとうございます」

バナトラやリリエルにも、穏やかに返事をするダイヤであった。



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