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庭園の秘密

ある晴れた昼下がり、 リリエルは午後のお茶の準備をしていた  そこに響くチャイムの音 リリエルが扉を開けるとそこには、

ぶすくれた顔をしたセルダがいた 「代官…どうされたのですか?」 リリエルが訊ねるが、それに対してたった一言 「閣下いる?」 と告げるセルダ 「はい。今は執務室でお仕事中です。お呼びしましょうか」

と声をかけるが、セルダはフルフルと顔を振り 「俺が行っても良いかな…」と小さな声で訊ねてきた 「はい、大丈夫ですよ。後でお茶をお持ちしますね」 「ありがとう、リリエルちゃん。ごめんね…」 いつもより元気のないセルダの後ろ姿を見送った後、 リリエルはお茶の準備を再開した 執務室の扉がノックされて、イザマーレは顔を上げた 静かに扉が開き、そこから遠慮がちにセルダが顔を覗かせた 「…閣下」 「ん?どうしたセルダ」 「今、良い?」 「セルダらしくもない。入れ。」

とぼとぼと執務室に入ってきたセルダの姿に

僅かに顔を曇らせるイザマーレ 「閣下…俺、悔しい。あんな奴に好き放題言われて…

それをはね除けられない自分も悔しい」


「…海星君のことか」 「そう。RISE は最高魔軍の楽屋で生まれて、 ウエスターレンが命を吹き込んでくれたユニットじゃんね。

ウエスターレンと俺との大事な絆の証のようなものなのに、

無関係な奴に好き放題されて…」 「…どうした、セルダ。お前らしくもない」 「だって…」 黙って聞いていたイザマーレに穏やかに諭され、

口を尖らせるセルダ 「お前がウエスターレンを最高魔軍に近付けようと 頑張っているのは、吾輩の耳にもちゃんと届いているぞ。」 「それだって、俺が毎回、最高魔軍の話をしても、 ウエスターレンは笑って誤魔化してはぐらかして、ちゃんと答えてくれん。

だったら俺も側におらんほうが良いんかな」 「おいおいおい。そこまで大袈裟な話じゃないだろう」

イザマーレが苦笑しながらセルダを宥めていると、 またもや扉がノックされ、今度は笑顔のリリエルが顔を覗かせた 「閣下、代官。お茶の準備が出来ましたよ♪」 「おぉリリエル。ちょうど良いタイミングだな。 どうだお前も一緒に」 イザマーレは、ややホッとしてリリエルを誘う 「よろしいのですか?では、お邪魔しますね」 ティーセットを乗せたワゴンを押しながら、 執務室に入ってくるリリエル ソファ前のローテーブルにお茶とケーキを並べて、声をかける 「閣下、代官。こちらでお茶にしましょう」 「さ、セルダ」 イザマーレにも背中を押され、ソファへ向かうセルダ


「ちょうどケーキを焼いたところでしたので♪代官も召し上がって下さい」 「うん。ありがとう、リリエルちゃん…」 リリエルから手渡されたケーキを一口食べたものの 寂しげな笑顔を浮かべるセルダに、リリエルは首を傾げて

イザマーレにテレパシーで問いかける (代官…どうかなさったんですか?私がお聞きしても…?) 静かに頷くイザマーレを見つめ、リリエルはジェイルの手を握る 心の鍵を押し開かれ、そのまま項垂れてしまったセルダ 「…そうだったんですね」 そう呟くと、口元を手で覆い、考え始めるリリエル それからまっすぐに代官を見据えて話し始める 「代官。もう答えはご自分で見つけていらっしゃるじゃないですか」 「自分で…?」 「えぇ。先程、ご自分でおっしゃってましたよ。 “RISE は長官が命を吹き込んでくれた、お2魔様の大事な絆の証”だと」 「リリエルちゃん…」 「確かに RISE の時の長官の頑固な態度には

寂しさを感じずにはいられませんが… 代官と和尚の、最高魔軍に対する誇りと 長官を想われる気持ちは、ちゃんと長官のお心に届いてると思います。

それに代官が閣下を想って、頑張って長官にお話しくださってるのも

とても嬉しいのですよ♪」 微笑みを絶やさず、穏やかに語りかけるリリエルに、セルダは俯く


「…そうだと良いんだけど。 俺がバンドメンバーをしょっちゅう変えてるって言われたんやけど、

それって俺が我儘だって事なん? 俺はその時の音楽性にあった奴と演奏したいだけなのに… 確かウエスターレンの組んでるユニットは今年 20 周年だったよね。 それも自慢されたみたいで…」 「…でも、代官が誰よりも繊細に音にこだわっていらっしゃるのは、

閣下を始め、皆様もご存知の事ですよ。それこそ、長官だって… だから、外野の声など気になさらず、

これからも素敵な御姿を見せてくださいね♪」 「…海星君が今回のヴィデオを見ていたら、

セルダにそのような事は言えなかったと思うがな」 「え?…閣下どういう意味?」 笑いながら話すイザマーレの言葉に首をかしげるセルダ 「自覚がないのか(笑)ウエスターレンが出てきた時、 嬉しそうな顔をしてはしゃいで、画面から見切れたのは誰だ?(笑)」 「本当に(笑)まるで子猫のような笑顔でずっと演奏されてましたね」

イザマーレの言葉に、リリエルも嬉しそうに微笑む 「俺そんなんやった?」 2魔の言葉に照れくさそうに笑い、 リリエルの作ったケーキに手を伸ばすセルダ 笑顔を取り戻したセルダを嬉しく思い、見守るリリエル そんなリリエルの髪を撫で、優しく微笑むイザマーレ 「(´∀`*)ウフフ…代官、沢山召し上がってくださいな。

今、お茶のお代わりをお持ちしますね♪」 そう言って、リリエルが立ち上がった時、窓から大きな声が聞こえてきた


……

セルダと海星のやりとりを配信で見ていたプルーニャは、怒り心頭だった 

あまりにもセルダが落ち込んでいた為、極力平静を装っていたが、 セルダが出掛けた後、とうとう我慢の限界がきて、

ひとまずムーランに愚痴を聞いて貰った だが!どうしても気持ちが収まらない

ムーランに付き合って貰いながら、頭を冷やすつもりで

プエブロドラドの中を歩き回っていると

偶然にも巡回中のダイヤと出会った 「あら。プルーニャさんとムーランさん。お散歩?」 声をかけてきた ダイヤを見た途端、 プルーニャは転ぶ勢いで駆け寄り、配信でのやりとりを話し始めた 最初は「何事だ」と不思議に思い聞いていた ダイヤ だが、

話の内容を聞き進めていくうちに、 ヒートアップしてきて会話の端々に 「おめぇのじゃねぇ」 「言いやがったな…1番言っちゃいかん言葉を」 「馬鹿めが!」 「終わったな」 と不穏な言葉が混じり始めた。そして… 「自爆行為。反省しなきゃね、海星さん。よし!

リリエル様に知恵を貸して頂こう」 と屋敷へと向かい始めた ずっと腹を立てているプルーニャは

拳を突き上げ鼻息荒くついていき、 二人の鬼気迫る姿を見たムーランは、 なんとか二人を止めようと、その後を追った


イザマーレとリリエルは、ふと外の声に気付いた 「あの声は…プルーニャ様」 その名前を聞いたセルダは「あっ」と大きな声をあげる 「どうしたんだ、セルダ。 プルーニャはお前を迎えに来たんじゃないのか?」 挙動不審なセルダに、不思議そうに首を傾げるイザマーレ 「…違うと思う。だって俺、 閣下のとこに行くなんて言うてないじゃんね それに配信見て、プルーニャがめっちゃ怒ってたの思い出した」 「…そうか。リリエル。今回だけは特別だ。 プルーニャのカウンセリングもしてやれ。頼めるか?」 「はい。閣下♪…でも、プルーニャ様だけのお声じゃないですね」


改めて窓の外を透視する3魔

荒々しく歩くダイヤ とプルーニャ、 そして二人にひきずられてアタフタするムーランの姿があった 「あら。ダイヤ様とムーラン様もご一緒だわ」

「…何故 ダイヤが関わっているのだ。あいつは関係ないだろう あいつの感情が乱れると陛下にも影響が出て、 吾輩の仕事が増えるだけだというのに…」


頭を抱えるイザマーレ 「ごめんね。閣下」 そんなイザマーレに近寄り、小さく謝るセルダ


「皆さま、いらっしゃい♪ どうぞ中にお入りになって」

「リリエル様…っ ほんまにすみません…でもっ…」

扉を開けて出迎えるリリエルは、いつもの笑顔だった 心が荒れすさんで、ほんの少し自分を見失いかけていたプルーニャは、

リリエルの穏やかな笑顔を見た途端、涙が堪えきれず、抱きついていた 「(´∀`*)ウフフ… プルーニャ様♪気になさらないで。」


リリエルは微笑みを絶やさず、プルーニャを優しく抱きしめる 「リリエル様…っ 今回はゴメンなさい 流石に私も我慢出来なくて……💢」 そんな風に苛立ちを募らせるダイヤ

2 名の様子をオロオロと見比べながら困り果てた様子のムーラン 「…そうだ、せっかくのお天気ですし、 今日はお庭でお茶しましょうか。どうぞ、こちらにいらして」 「「「???」」」 突然のリリエルの提案に、 一様に不思議に思いながら、慌てて後を追う 3 名 屋敷には何度も訪れていたLily‘sだが 庭を見たのは初めてだった 広大な敷地の中に、豪華絢爛に飾られた数々の園庭に、目を奪われる


「リリエル様…御屋敷の庭が こんなに素敵だなんて知りませんでした」 驚きを隠せないダイヤの言葉に、 同じように頷きながら、圧倒される 2 人 「…ここは、閣下を初めとする構成員の皆様が 最高魔軍以外の場所においてご活躍された証の庭園です。」 「!!」 リリエルの言葉に、さらに目を丸くする 「ほら、こちらは、閣下が特に熱心に取り組まれてる、 邦楽維新コラボレーションの庭園ですよ

とても素敵でしょう?」 「「//////」」 「長官がお楽しみになってる海星さんとのユニットも やはりとても素敵だと私は思うの。閣下も大好きなのよ?

だからちゃんと、ここに……ね♪」 ウエスターレンと海星が鋭意取り組んでいるライブ配信の様子も、

1 歩、庭園の中に入れば自由に堪能する事が出来るのだ 「たかが人間の視点で、悪魔の物差しを測れるなどと思わない方が良いわね。

最高魔軍という、大きな御屋敷の中のほんの一部のお庭に過ぎないの。」 「!!」


「昔も今も、芸事の頂点に君臨するのが悪魔であり最高魔軍なのよ。

でも折角なら、これからも、各々のお庭が華やかに彩って貰いたい。 そう思わない?」 リリエルの言葉を聞きながら庭を眺めていた3名 ムーランは「CANTA」の庭を見つけてはしゃいでいた また ダイヤも「DHC」の庭を見つけ、頬を染めて眺める セルダの庭園を見てようやく笑顔を見せたプルーニャ 「代官の庭園、いろんな入り口があって、いろんな色合いがある。

どれも代官の音への想いが溢れてますね」 そんな3名を優しく見つめていたリリエルが声をかける 「さ、皆さんお茶にしましょう♪」 その言葉にプルーニャが顔を上げ、落ち着いた口調で語る 「リリエル様…仰ること、よくわかりました。 構成員の皆様のご活躍でお庭がこんなに素敵になってるのも…

私も皆様のご活躍は本当に楽しみしています。 これからも、最高魔軍の皆様と、代官のお言葉だけを信じていきます」 「プルーニャ様をはじめとする、信者の方々の熱意、 構成員の皆さ魔の事を大好きでいてくれるお気持ちが、

庭園に彩を添えて、よりいっそう豪華絢爛になるの。 プルーニャ様、これからも代官と最高魔軍の事を大好きでいてくださいね」 プルーニャの手を握り、にっこりと微笑むリリエル 「リリエル様ぁ~(涙)はい、ずっと大好きでいます。

リリエル様の事も大好きです~」

堪らずリリエルに抱きついて、おいおいと泣き始める プルーニャをリリエルはぎゅっと抱きしめる


そこへイザマーレと、イザマーレに連れられてセルダが姿を現した 「あ、閣下♪ごめんなさい。 皆さんに秘密のお庭を見せてしまいした」 俯きがちに見上げるリリエルの髪を撫で、微笑むイザマーレ 「構わない。元々これはリリエル、お前のおねだりに応えたものだからな

ところで、プルーニャは大丈夫なのか?」 「ず…ずびばぜん…がっが…」 まともな言葉を発せず、リリエルにしがみついたままのプルーニャ 「ふふっ。プルーニャ様は大丈夫ですよ♪私達はあちらのテラスにいますね。」 リリエルが歩きにくそうなのを見て、 ムーランがプルーニャの手を引いてリリエルから離す ずびずび言いながら手を引かれ、テラスに向かうプルーニャ セルダを目の端に捉え、泣くのを堪え笑顔を作る リリエル達を見送ったあと、改めてセルダと庭を眺める 「閣下んとこの庭…初めてじゃんね」 「そうだったか?うむ、セルダ。ここがお前の庭だ」

イザマーレがある場所で立ち止まり指をさす 「ここが俺の庭…」 セルダがそっとそこを覗きこむと、 そこにはこれまでセルダが情熱を注ぎ、活躍してきた庭が個々に広がっていた 「閣下、これ…」 驚きの余り、言葉に詰まるセルダ


「お前は本当に好奇心が旺盛だな(苦笑)だが、どれもお前らしい

吾輩はお前の活躍を見るのが楽しみだったぞ」 「閣下…(泣)」 泣き顔を見られたくないセルダは、ギュっとイザマーレに抱きついた 「おやおや。中身まで子猫になってしまったか(笑)」 セルダを抱きしめて背中をポンポンと叩いて励ますイザマーレ

その途端、すぐ横の空気が揺らぎ、ウエスターレンが現れた 「イザマーレ!俺がいるのに、堂々と抱き合うとは…」 「レ…ウエスターレン、これは…わかっているだろう💦」 青筋を立てて睨むウエスターレンに、アワアワするイザマーレだが、

ウエスターレンの怒りは収まらず、セルダを覗き込む 「セルダ。お前もお前だ」 「なんよ!もともとはウエスターレンが悪いじゃんね… ウエスターレンのせいなんだから俺が閣下に慰めて貰っても とやかく言う事ないじゃんね」 ウエスターレンの態度に堪忍袋の緒が切れ、本音をぶちまけるセルダ 「セルダ…お前なぁ」 「なんよ!も…もうウエスターレンなんて(ぐずぐず)」 やれやれと呆れるウエスターレンに、 とうとう泣き出したセルダ イザマーレは、抱きついたままのセルダの柔らかい髪を

優しく撫でてやる 「ウエスターレン。セルダが可哀想だろう… セルダだけでなく信者のやつらにも心配をかけたままだぞ?」


イザマーレの真摯な言葉に、 ウエスターレンは気まずさを振り切りセルダと向き合う 「セルダ。ごめんな。お前の気持ちはちゃんとわかってるから…」 「ウエスターレン…うん……」 泣きながら、言葉を上手く繋げず、何回も頷くセルダ 「…だがな!イザマーレは俺様のものだ。 いつまでくっついてやがる💢💢」 ウエスターレンはセルダをペイッとイザマーレから剥がした その様子をテラスから双眼鏡で鑑賞するリリエル ようやく泣き止んだプルーニャも、 双眼鏡を顔にめり込ませる勢いで見物していた


そこへ突然ベルデが現れた 「もう!リリエルちゃん。急に双眼鏡を持ち出さないでよ 💦

それも録画機能のあるやつ…」 「あ、和尚♪すみません。お声をかけようと思っていたんですが、

お忙しそうだったので(≧∇≦)」 天真爛漫に微笑むリリエル 「お!美味そうなケーキ。 これリリエルちゃんが作ったの?」 ベルデの後ろから、くっついてきたラァードルが顔を出す 「和尚と殿下の分のお茶とケーキもご用意しますね」 リリエルがそう言って立ち上がった時、さらに後ろから声がした 「俺の分もお願いね」 そちらへ目を向けると、そこには本日も麗しさを漂わせたバサラがいた


「参謀はどうしてこちらへ?」

「執務室に行っても閣下がいないから、 探してたらここから声が聞こえたからね。で、閣下は?」 イザマーレの姿を探してキョロキョロする参謀の目に、庭にいる3魔が映る 「ん?…セルダ何かあったの?」

バサラがプルーニャに質問を投げるが、 プルーニャはそれに応える事が出来ず顔を歪ませる 「ぶふっ。変顔してどうしたの?」 素直を感想を述べるバサラの後頭部にハリセンが飛んだ 「いっ…たい!誰だよ!」 「女性に対してなんて事言うのよ!」 痛みに顔を歪ませながら後ろを振り返ると、

再度ハリセンを構えたバナトラ がいた 久しぶりに魔界に来ていたメーラとセリーヌも誘い、 リリエルと女子会をしようと思って 屋敷に向かっていたのだ


屋敷の門に近付いた時、バサラの姿を見つけ

後を追って庭までたどり着いてみたら 女子に対して失礼な言葉を吐くバサラ…

思わずハリセンを取り出していた 逃げるバサラにハリセンを振り回すバナトラをセリーヌが宥めていた その横でメーラは見事な庭のスケッチを始めていた

そこへ新たな来訪を告げるベルが鳴る


リリエルが庭から門へ向かうと、 ベルデとラァードルから目玉蝙蝠で呼ばれた裕子とスプネリア そして、二人に連れられてやってきたリリアがいた 「皆さん。ようこそ♪ 今日は賑やかなお茶会になりますね(´∀`*)ウフフ…」


新しいゲストを連れてテラスに戻るリリエル

そこに、ウエスターレンに抱き着かれ顔を真っ赤にさせたイザマーレと、 そのウエスターレンの背中をぽかぽかと叩いているセルダがやってきた 「リリエル。我々にもお茶を戴けるかな?」 「閣下♪もちろんですよ。どうぞ、こちらに」

イザマーレを中心に、自然と全構成員とLily‘sが集合した状況に 嬉しさを堪えきれないリリエル その隣に座り、髪を撫で微笑むイザマーレ 「全員、揃ったな。ミサでもやるか(笑)」 イザマーレの言葉に、その場に居た全員の気持ちが高揚する 「代官。私これからは…いえ、これからも 代官と最高魔軍の皆さ魔だけを信じてついて行きます。 外野の騒音で怒るのもやめます。代官も代官らしく輝いて下さい」


「プルーニャ…ありがとな。」 力強く鼓舞するように、笑顔を見せるプルーニャ

その隣に腰かけ、優しく髪を撫でるセルダ その様子を見守りながら、イザマーレはある事を思い付く。 「…こんな風に皆が喜んでくれるのなら…この敷地とは別に

そんな空間を設けても良いのかもしれないな」 「!! 本当に?! もしもそうなったら、とても素敵です(≧∇≦) お願いしても…よろしいですか?」 思わぬイザマーレの言葉に、飛び上がるほど興奮しておきながら

控え目に上目遣いで見つめるリリエル 「仕方ないな。こういった事は、

本来、情報局の最高幹部殿がとてもお得意なんだぞ。

なあ、ウエスターレン♪」 含みを持たせ、ニヤッと笑いかけるイザマーレに

苦笑するしかないウエスターレン 「…仕方ないな。良いだろう。たまには俺様が、 ダンケルの奴に頭を下げてやる」

紫煙を燻らせ、優雅に長い脚を組みながら、 力強く返答するウエスターレン 「キャー(≧∇≦) 長官、素敵です♪♪有難うございます!!!」


大喜びで飛び跳ねるリリエル 「…????」 何のことかよく分からず、不思議そうに見守る構成員とLily‘s これが後日、プエブロドラドに併設される 『悪魔ランド』誕生の瞬間だった Fin.




35+悪チン集団接種ツアー真っ最中ではありますが

「花と愉快な仲魔たち」シリーズ最終章となります。新シリーズも鋭意、製作中……お楽しみに

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