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悲哀のダイヤ16世


ところで、ダニー・アントワネットの

挙動不審な行為の発端ともいえる

大きな動機の一つが、夫であるダイヤ16世への愛だ


皇太子として婚姻生活を始めたばかりの幼いダイヤ16世を

ひと際大事に愛しているダニー・アントワネットなのだが

実はこのダイヤ16世、

ダニー・アントワネットの生涯の対立相手、デュ・バリエ夫人に

強い憧れを抱いており、なおかつ、

デュ・バリエ夫人の夫であり、現国王のイザマーレ15世に対しても

密かな恋心を抱いているのだ


同じ男性同士、叶わぬ夢と諦めようとしていた矢先、

広い廊下の柱の陰で、

執事兼取締役のレンと見つめ合い、

慈しみ合うイザマーレ15世の姿を目撃してしまう。


この事が後々まで尾を引き、

長くダイヤ16世を暴走させる一因となっていた


年中、宮殿の庭先に忍び込み、そんな彼らのやり取りを眺めては

ニヤニヤしながら絵に描いていくメーラ


メーラの仕上げた春画を街中で売りさばき

一儲けしては、時折通り過ぎるバサランドレの容姿に

うっとりとする市中の魔女たち


そんな周囲の喧騒をよそに

今日も宮殿のプライベートの間では

デュ・バリエ夫人と愛の営みに明け暮れるイザマーレ15世…




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Epilogue

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