イザマーレとリリエルが立ち去り
1魔、玉座でイラつくダンケルの元に
ベルデがやってきた。
「ダンケル、リリエルちゃんのこと聞いたよ。
天界に行くのは王室からなのか?
結界を張るから確認に来たんだけど…
どうしたの?」
「…ふん!あいつらの屋敷から勝手に行くそうだ。
我々の協力など不要らしいな。」
不機嫌全開のダンケル。
「…あかずの扉を使うんだね。ダンケル、思い出さないか?
再びこんな風に、天界に向かう彼女を見送ることになるとは…」
「……」
「少しはイザマーレの気持ちも考えなよ。
もしそれがダンケルだったら、我慢できないだろ?」
ベルデの言葉に、ムキになるダンケル。
「ふん!私はダイヤが可愛いのだ!
いつまでもダイヤに厳しくあたるイザマーレが許せない!
それは間違っているのか?!」
ベルデはため息をつく
「だから。それならダンケルが、
彼女を愛してあげればいいだけじゃない。
なぜそれを、イザマーレに求めるの?
ダイヤちゃんを救えるのは君だけだろ?」
「……」
「その様子だと、ダイヤちゃんはまた、
いつもの暴走中なんだね?
良かったら、僕が話そうか?」
黙り込むダンケルに、ベルデが問いかける。
「ふう。そうしてくれ。頼む、ベルデ」
数刻後、ベルデに呼び出され、ダイヤは文化局に向かった。
文化局にはベルデの横に佇むウエスターレンがいた。
ダイヤの顔を見るなり、紫煙を吐き出す
「言わんこっちゃないな。
お前、すっかり忘れてるかもしれないが、
ミカエルに会わせるため、リリエルを天界に行かせる事を
伝えなければならなかったイザマーレの気持ち、考えたことあるか?」
「!……え…?」
ダイヤは驚いた
「そもそも、原因を作ったのは君だよね?それで君は、
優しくされないだの、相手にされないだのって、拗ねてるの?」
ベルデがさらに厳しく問いただす。
「ちょっと…待ってください、天界って?なんでリリエル様が!」
落ち込んでいたことも忘れ、
怒り始めたダイヤに呆れるウエスターレン。
「お前なあ、分かってなかったのか?
あの時お前がイザマーレに持ってきた書類!
リリエルを天界に派遣要請するための契約書だったんだぞ?」
「なんで!酷い、リリエル様にそんな事!
今からでも間に合いますよね?
私にするように言わなきゃ……!!」
すっかりシラケて目を合わせるベルデとウエスターレン。
「お前が代わりに行って何になる。
そもそもの原因がお前だという事も分かってないのか?
おめでたい奴だな(苦笑)」
ウエスターレンは煙草を吸い出した……
「せめて、何事もなく無事に帰ってきてくれることを
願ってくれるね?ダイヤちゃん。」
ベルデに穏やかに諭され、落ち込みつつ頷くダイヤだった
その後、魔宮殿に戻り、
数時間悩み、泣いて苦しみ続けていたが
やっとダイヤは結論を出そうとしていた
そろそろ…決めなければならないと…
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