動かざること山のごとし
聖飢魔Ⅱの重鎮、魔界の文化局長ゼノン和尚 御発生日記念作品
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Ⅰ
魔界―
王都ビターバレー
その中に唯一、居を構える屋敷
最高魔イザマーレ族の長の居住地として有名だ
その屋敷を取り囲むように存在する、広大な敷地には
愛する妻のおねだりに応える形で設えた豪華絢爛な庭園
文化局の森と併設する形で館が建設され、
やがて風景に溶け込み、民衆からも自然と親しまれるようになった頃
屋敷を挟んで反対側の敷地に、悠々とそびえ立つ梅の木
その梅の木をシンボルとして建設された巨大な建物
梅雨真っ只中の、鬱陶しい季節
ベルデは久しぶりに重い腰を上げ、梅園学園の中庭に行く
雨の恵みを受け、樹木は青々とした実が成り
独特の深い香りに満ちている
梅雨の中休みになると、副大魔王妃リリエルが
ちびっ子魔たちと一緒になって果実をもぎ取り、
真夏に向けてジュースや酒、梅干し作りをする
(その前に…)
以前、雷神界に出向いた時、紫雲に言われていたのだ
リリエルが人間に生まれ変わった、あの要塞の庭にあった
梅の木が、ついに樹寿を迎え輪廻の旅に出たという
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
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