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永久の刹那


「流石だな。でもやっぱり、

お前も少しは寂しいんじゃないか?」


イザマーレがダイヤと寄り添う間、

人間界の屋敷で待つリリエルを護衛するウエスターレン。


「…そうですね。でもやはり私は、

全ての人の悲しみを幸せに変えてくださる

素敵な閣下が好きなのです。

いつもお願いばかりで、申し訳ないですけど。」


「…お前にとって最高の王子様という事か。確かにな」


「そして、閣下にとっての王子様は

ウエスターレン長官ですよね♪」


「まあ、そうだな…。おっと、そろそろお出迎えの時間かな?」


「…そうですね。では、お支度させていただきますね」



夫婦のように、甘いやりとりを交わす

2名の様子を見守るウエスターレン。


(……時間に制限がなくなったとはいえ、

失われたままのお前たちの時間に比べたら、刹那の夢でしかない。

だからこそ、大事にしなければな。

もう決して見失うな……イザマーレ……)



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