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浜辺の攻防


学園の生徒と職員は海に来ていた。


ダンケルや他の生徒や先生の休むテントを

魔力でせっせと作るベルデ。


出来上がったテントの中にダンケルが即入って

日傘までさして座っている


「…ダンケルもダイヤちゃんのところへ行ってきなよ…」


ベルデは苦笑いするが


「私は良いのだ…ダイヤが楽しんでるのであれば…」


ダイヤを見つめて微笑むダンケル。


深い翠のハーフトップに

椰子の木模様のパレオを巻いているダイヤ。

細身の身体を引き立たせ、とても美しい。


エメラルドグリーンのビキニと小花柄のパレオ姿の

リリエルと一緒に浜辺で足首位まで波に浸かり

キャーキャー騒いでいる。


リリエルのパレオは深めのスリットが入っている

アンダーバストのリボンがアクセントになった、

非常に脱げやすそうな水着…

この水着になるまで、副理事長と恒例のひと悶着があったが、

案外気に入って、ご機嫌の様子だ


一方、イザマーレとウエスターレンは海で泳いで楽しんでいる。

紅蓮の炎、ウエスターレンは水との相性が悪いのだが

今回は魔力を封印させるため、

イザマーレと共に人間の姿になっていた


しばらくして2魔が浜辺に上がってきた。

海水の滴る髪をかき上げ

ニコニコしながらリリエルの所へやって来たイザマーレ。


ダイヤもバナトラもイザマーレの姿を見て顔を赤らめた。


「…副理事長…格好いいわ…」

バナトラが目を輝かせる。


ウエスターレンの楽しそうな姿に、ベルデも朗らかに笑う




 

「リリエル、オイル塗ってくれないか?」


イザマーレはリリエルの手を取り微笑む


「はい、喜んで♪ウエスターレン様は

エレジア様と遊んでて下さいな(^^♪」


リリエルとイザマーレはベルデが出したテントへと向かう…


「…仕方ないな…エレジア、何か旨いもんでも食いに行くか?」


八重歯を見せ、ベルデとエレジアを連れて

海の家を散策し始めるウエスターレン


「ねぇねぇ!セルダ!泳ごうよ!」

バサラがセルダを引っ張り海の中へ…

セリーヌとシルバも楽しく泳ぎ始めた


残されたダイヤもは少し浜辺を探索し始める。

ダイヤは泳げないのだが海を見つめるだけでも心が和む。

貝殻や浜辺に打ち上がる波を足で受けながら…



イザマーレはリリエルにオイルを塗って貰い、ご満悦だ。

リリエルの塗るオイルと手で身体を撫でられる堪らないほどの快感…

真っ昼間から襲ってやろうかと思っていた矢先…

2魔の前に立つ影…


イザマーレとリリエルは同時に顔を上げた


「…陛下!?どうなされたのですか?」


ダンケルが日傘をさして上から見下ろしていた

「イザマーレ、私に日焼け止めを塗りたまえ!!」

ダンケルがニマっとして言うが…


「…は???どこを??」

イザマーレが困惑している


腕も足もスエットで隠されフードを被っているダンケルに

塗る場所すらない…


「今から脱ぐから~♬」

フードを脱ぎ始めるダンケル…



 

「理事長はダイヤ先生に塗ってもらって下さいな💢」


リリエルがプンスカしながらダンケルに言うが

無視して、ウキウキしながらイザマーレに抱きつく…


「だめー!」

リリエルが叫んだ途端ダンケルが砂に埋まっていた


「リリエル!!貴様!何しやがる!」

瞳を赤くしてリリエルを睨むダンケル


大魔王とは思えない言い方にイザマーレも苦笑する。


「副理事長はリリエルのです!!理事長には貸してあげません!

理事長はダイヤ先生に塗ってもらってと言ったじゃない!!!」

怯まないリリエルはツンとして言った


「こ、こら!リリエル!!何している!」

イザマーレはそう言いながらも、笑いを堪えている。

「陛下、あったかいでしょ~( ̄▽ ̄)♪」

そのままダンケルを砂に埋め続けるリリエル


ダンケルの怒鳴った声に気が付いたダイヤは

焦ってダンケルの元へ駆け付けた


「いやぁぁぁ!どうしてこうなった!?

今、助けますからぁぁ!!」


ダイヤの声にダンケルも少しは怒りが収まってきた。


必死に手で砂を掻き分けるダイヤ

その姿を嬉しそうに微笑むダンケル…


「もう!ダイヤ先生!いいの!このままで!」


「リリエル先生!戻さないで~💦や~め~て~!💦」


ダイヤが掻き分けた砂をリリエルが必死に戻す…

まさしくカオス状態…



 

イザマーレも止めに入るフリをして砂をかき集める


その様子に気づいたウエスターレンもテントの中に入り

「リリエル!砂だけじゃダメだ、水で固めろ♪」

と、ダンケルの上に砂の山を作り続ける



…ダンケルがそれに気が付きイライラMAXになっていた

「…貴様らぁ!!!!」


ダイヤがダンケルの声に驚いた時だった…


ダンケルの近くの砂が爆音と共に一斉に吹き上がり降り注がれた。

近くに居た人間さえも砂の雨の餌食となる

物凄い勢いで降り注ぎアチコチで悲鳴が聞こえる。

砂まみれのダイヤ…唖然としている。


「ちょっと!!理事長!!」

リリエルが砂を浴びながら叫ぶ…


「砂に埋められた礼だ。受け取れ💢💢💢」


イザマーレもウエスターレンも人間の姿で

魔力も抑えていた為に砂だらけ…


ダンケルは手で砂を払いながら言った

「さぁ…ダイヤ、砂だらけだな♪一緒に風呂に入ろうか…」

嬉しそうにダイヤを立ち上がらせ共に姿を消した。


「リリエル、大丈夫か?駄目だぞ?陛下を砂に埋めるなど…(笑)

…2度としてはならぬぞ!」


イザマーレはリリエルを窘めながら、身体中の砂を払い落としてやる

笑いを堪えて言っているので、リリエルも微笑んで見つめ合っていた


「ごめんなさい(笑)でも、すっごく楽しかった(≧∇≦)」


「大魔王を砂に埋めて生きていられる女など、お前くらいだな♪」

ウエスターレンも笑いながら、リリエルの髪を撫でる




 

近くでゆったりと過ごしていた人間は、

何が起こったか分からず騒いでいた…


一方、テント内が怪しい空気になったのを察して、

早々に離脱して、海で泳いでいたラァードル。


「いや~あ、まいっちゃうね。あいつら(笑)

吾輩の言うこと聞いて逃げ出して良かったろ?」


「///それはいいんだけど…

さっきから、どこ触ってんの(怒)」


「ん?スプネリアの胸♪でかくてチョーいい感じ♪」


ニヤッと笑いながら口づけを交わす…













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