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約束 後半


月日は穏やかに過ぎていき

中学校に君臨していた不良グループたちは、皆、卒業を迎える


卒業記念として、その地区の隣の学校まで挨拶に出向き

最後の花向けにしようとしていた


単なる「人間」の弱い不良グループは、

常にトップを君臨し続けた黒悪魔集団に屈しながら

いつの間にか尊敬と畏怖の念が生まれていた


「お前らも、このくだらない義務教育を卒業するんだろ。

そしたら今まで燻り続け、

抱え込んでいたストレスからも必ず卒業しろ

その怒りは、もっと違う方法で昇華できる日が必ず来る。

約束できるか?」


「…!!」


「散々、窓ガラスを割り、バイクを乗り回し、

溜め込んだ鬱憤は十分吐き出せただろ?

それが、俺たちをブタ箱に放り込まず、守り通してくれた、

あのパンチパーマ野郎と鬼バット野郎との約束だったからな。」


「…はい! 必ず守って見せます。お疲れさんでした!!!」

深々と頭を下げる男子生徒―kojiの心に灯がともった瞬間だった


取り巻きで眺めていたメーラから、その時の様子を聞き

妙に納得して頷くのはバナトラだった


「いや、ホント、あの人たち…めっちゃカッコいいわ…」

「koji君ったら、それを機に、すっかり真面目になっちゃったしね♪」



 

さらに時が過ぎて、リリエルも中学3年生になっていた


この頃になると、

校舎のある場所に足蹴く通うようになっていたリリエル

彼女が姿を現すと、まんざらでもない表情を浮かべながら

黙々と練習を続ける、男子生徒…


特に何かを話すわけではなく、リリエルは階段の踊り場から

こっそりと眺めているだけだ。


だが、もちろんリリエルの存在は知っていて

時折、その男子生徒も笑顔で話しかけてくる


その日の練習が終わるまで見続けて、そのまま帰って行くリリエル


「送ってやるから…待ってろ」と言ってやりたい気持ちはある

だが、何故かその隙を見せずに立ち去るリリエル

その男子生徒も、黙って見送るだけに留めていた


その様子を、廊下の影から見ていた鬼顧問が近づき話しかける

「お前…良いのか?あいつはお前からの誘いを待っているんだぞ?」


「…俺が、あいつの悩みを救ってやれるのなら、いつでも応えてやりたい。

だけど…それ以上の事を、本当に望んでいるのか、分からなくて…」


「……」


「なあ、先生。きっと、ありきたりな恋愛の形じゃなくても

守ってやれる。そんな方法があると思うんだ…

俺にそこまでの力があるか、分からないけど…(笑)」


「…心配いらない。今は、お前の存在に十分救われているようだから。

少しの間だが、リリエルの事を頼んだぞ。」


少しだけ、不敵の笑みを浮かべ、立ち去って行く鬼顧問…



 

「好き」という言葉をリリエルが伝えたのは

人間の中では、この男子生徒だけだった


それに対し、応えるわけでもなく、だが拒絶するわけでもなく

常に傍に寄り添い、いつでもリリエルの笑顔を守ってくれる

そんな存在だった


この男子生徒から、たくさんのプレゼントをもらっていたリリエル

その中で、一番の思い出が、可愛い手袋だった


やがて、その男子生徒とも別れの日が来る

「ごめんな。もう、お前の傍には居てやれない。

大丈夫だ。お前は必ず幸せになれるから。その手袋、

ずっと大事に持ってろよ。それが、次の合図になるはずだから」


別れ言葉にしては、不思議に思いつつ

それはきっと、何かの暗号のように感じていた


次に、手袋をくれる人…それがきっと、幸せの道標なのだと…


実はこの時の別れの原因は

明確にリリエルの傍に居続けられない、ある理由があった


リリエルの生まれ変わりを、執拗に追いかけていたのは

あの憎きゼウスも同じだった。諦め悪く虎視眈々と狙っていたのだ。


その男子生徒に必要以上に不幸を与え続け、

単なる人間の中学生では抗えない程の苦痛を与え続けた

その結果、リリエルの傍に居続ける事が

現実的に出来なくなってしまったのだ


川原で花火をしながら、静かに涙を流すリリエルの姿を

見届けたイザマーレは、夢の中で初めてリリエルと寄り添い、

最初の約束を告げる



 

「いつの日にか、夢ではなく、必ず会いに来てやる

だから、もう泣くな…」


何度も優しく抱きしめ、髪を撫でてやった


泣き濡れた顔で眠りにつくリリエルを見届けた後、

魔界に戻って行ったイザマーレ


とある養護施設の前で待ち構えたイザマーレの前で

発生した、微弱な悪魔


その場から連れ出し、使用魔のランソフに委ねた


「こいつは出来る限り、リリエルの近くに居させてやりたい。

頼めるか…?」


「…そうですか。畏まりました。」

事情をくみ取ったランソフは快く引き受ける


「しがない使用魔にすぎない私に、

まさか子育ての真似事が出来るとは…

こいつの養父魔となり、厳しく育て上げて見せましょう…」



 

その後、暫くの間

イザマーレとリリエルの夢の中のやり取りも途絶えていた


その隙を縫うように、出会った相手から贈られた手袋を見て

ある決断に至ったリリエル


結婚、出産を果たしていた


何とか呼びかけたくても、最高魔軍としての活動も終えてしまい

ソロ活動を開始しても、孤独に慣れ過ぎたせいか

イザマーレのファンクラブにさえ入ろうとしなかったリリエル


だが、娘の成長期を迎えた頃、東日本全域を襲う地震が起きた

激しく思い悩むリリエルが、堪えていた我慢の限界を迎え

ようやくファンクラブに登録してきたのだ


間もなく、ファンクラブの集いが開催されるという直前の会員入りだった

情報を掴んだ悪魔軍のスタッフからその事を聞いたのは

開催日当日だった


絶好の機会を逃してなるものかと、「貢物下賜の儀」と称し

必ずそれがリリエルの手元に行き渡るよう、綿密に企てていた


だが、肝心の「手袋」を用意する暇がなかったイザマーレ

その時、ハタと閃いたのだ


そうだ…あれがあるじゃないか……!!


急ぎ、魔界に戻り、プライベートルームのある一角から

「それ」を掴み取り、人間界の会場に向かう


魔之手直触の儀となり、粛々とリリエルの順番がやってきた



 

何も知らず、ど緊張の顔で震えながら

目の前のイザマーレと視線を合わす事も出来ず、アワアワしながら

「え、えっと…あの…」

震えながら、下賜の儀の当選者となった事を

証明する紙を差し出してくる


「…当たりだな。だがまず、握手しような(笑)」

実に、遥かな時を超えて、夢ではない姿で触れ合った瞬間だった


ポ~っと顔を真っ赤にさせて、固まるリリエルにニヤッと笑いながら

「はい。これ。『必ず!!』持って帰るようにな♪」


夢心地のまま手渡された紙袋の中を覗いて

キョトンと首を傾げるリリエル


その日、魔界に戻ったイザマーレは

ウエスターレンから激しく叱咤される

「お前なあ💦もっと分かりやすいもんにしろ💢💢」


「し、仕方なかろう!! 咄嗟に思いついたのが、

手近にあった「アレ」だったんだ!!///////」


「クククッ…だからと言って、手袋の代わりに『鍋つかみ』ってのは…」

ツッコミながら、笑いを堪えきれないウエスターレン


「///////悪いか!!💦💦あいつもキョトンとして、

未だに笑ってやがるけどな、忘れてるんだ!!

リリエルがかつて、自分で選んで使っていたんだぞ💢💢」


……

この時、贈られた手袋代わりの「鍋つかみ」は

今もプライベートルームにあるキッチンで

リリエルが毎日のように愛用している



 

さて、ちょうどその頃……

リリエルは自転車の前と後ろに2人の娘を乗せ

品川の商店街を駆け抜けるチャンバーライダーになっていた


職場に着くと、チャンバーライダーは自転車から

白バイクに乗り換え、街中を縦横無尽に走り回り

老若男女問わず、乳酸菌飲料を売りさばいて行く


個人宅だろうが会社だろうが、構わず乗り込み

持ち前の笑顔を武器に、どんな曲者の客も難なく懐柔させて行く


忙しすぎて、在籍している合唱団にさえ行けない

イザマーレのソロ会場にさえ、足を運ぶことが出来ない


それでも、リリエルはいつでもイザマーレの存在を身近に感じていた


何故だかいつも、

その時の彼女の心情を全て見通しているかのような

それでいて、心に響く言霊を送り届けてくれるのだ


商店街の中にある写真屋さんに行けば、

なぜか大相撲の引退力士の断髪式に訪れた

イザマーレの御尊影が飾られている


そんな時は、乳酸菌飲料を片手に、

「あの…!!そこのお写真…買わせてください!!!」

と、なりふり構わず懇願する


出てきた店のオーナー夫妻は、そんなリリエルに笑いながら

「へえ…そんな可愛いのに、意外だねえ。

気に入った!!…じゃ、その手に持ってる商品、

来週は倍にして持ってきて♪約束ね(´∀`*)ウフフ…」


そんな不思議な魅力満載のリリエルを

誰もが微笑ましく眺めていた



 

同じ職場の後輩がやらかしたミスが原因で、

とてつもないクレームになると、

その相手先から呼ばれるのはいつでもリリエルだ


リリエルは、忙しさにため息をつきながらも

怒り狂ってるであろう客の元に向かう


だが、現れた先では、多少プンスカしながら

結局言いたい事はいつも同じ…


「リリエルちゃんが来てくれなかったからよ…」


そう言いながら、大量のお菓子を渡され、

キャンペーン中の稼ぎ商品の注文までくれる


そのまま職場に戻り、淡々と発注を行うリリエルに

ミスを犯した後輩や、その後の処理を押し付けた責任者たちが

戦々恐々と見つめている


「…? ああ、全然、大丈夫でしたよ。

皆さんにって、たくさんのお菓子もくれましたし、

キャンペーン商品、追加で3つ入りました♪」


あっけらかんと話すリリエルの言葉に

職場に居る全員が目を丸くして固まる


「……何故……?!」


「さあ…あ、じゃ、お迎えの時間なので、お先に失礼しますね♪」


多少、悪魔のような気質が芽生えつつ、

それでも、自分に対する手柄には何も興味がなく

ただ、その場の空気が穏やかになるように努めていたリリエル



 

だが、そんなリリエルには、常に羨望と嫉妬の感情を持つ

悪意が忍び寄る


そして、リリエルに向けられ続けた刃の呪いが強く発動した

東日本全体を襲った、大震災である


緊急事態…


そんな時ほど、人間は仮面をはぎ取られ、本性をさらけ出してくる

職場の中には、リリエルの力に頼っていながら

次から次へと甘えるだけの我儘な人間だらけになった


この時、リリエルの心を支えたのは、商店街や会社に居るお客達だった


最終的にリリエルの心を凍らせたのは、そのすぐ後

大事に守り通りしていたお客達を裏切れと、

会社から命じられたことだった


ちゃぶ台をひっくり返すかの如く、上司を蹴倒して辞表を叩きつけた


慌てた会社から、一週間は保留とされ

長年勤め上げた中で初めて仕事を休み、部屋の中で泣き続けていた


その時だった…


「リリエル?まだ泣いているのか?」

背後から、優しく抱きしめられていた。

いつも夢に現れ、会いたいと願っていたイザマーレのぬくもり


「……」



 

あの時と同じように、キョトンとした表情で振り返るリリエル

だが、あれから十数年の年月が過ぎ

見つめ合う瞳は、ちょうどヨッツンハイムの事件の直後

屋敷のプライベートルームで泣きじゃくっていたあの頃のリリエル

そのものだった


時空の狭間から脱出し、戻った屋敷の中に、

リリエルの実体を見る事は叶わなかったが、

強く思い続けた彼女の悲痛な叫びは、部屋中に充満していたのだ


学ラン姿で目の前に現れた時には、

思い出せずにいた吾輩の事も、今なら多少、分かるだろう


「…約束、果たしに来たぞ…リリエル」


「///////閣下…?…まさか…あの時の…王子様…?」


「そうだ。どうしたのだ?お前が職務を放棄するなんて、余程の事だな」

そう言って静かに微笑み、髪を撫でてやる

その髪の感触は、遠い昔のあの頃と何も変わらない


「…閣下…っ…」

ついに決壊し、泣きじゃくるリリエル

その姿は、囚われたイザマーレの元に駆けつけた遠い過去の記憶と重なる

「リリエル…」

衝動的に抱き寄せ、口唇を重ねていた


「!!…///////」

驚いて顔を真っ赤にさせるリリエルを離さず

そのままの勢いで押し倒していた


ぎこちなさを漂わせながら、それでも素直に抱かれたリリエル

安心させるように笑いかけながら、

一糸纏わぬ肌を抱き寄せ、優しく髪を撫でてやる



 

「大丈夫だ。もう結論は出てるじゃないか。

こうなったら、最後のひと花を咲かせて見せろ。

頑張れたら、褒美をやるからな」


そう言い残し、その場から姿を消す

自分が人間ではなく、悪魔である事を証明して見せる為に…


この時の最大級の励ましを受けて、

職場を退職するまでの一週間、

本来の笑顔を取り戻したリリエルの姿で乗り切って見せた


その間、イザマーレは人間界のある場所に屋敷を構えた

かつて、黄金の雄鶏に扮して君臨し続けた、あの要塞と

リリエルがよく花火をして遊んでいた川原を挟んだ真向かいの場所に…


暫くの間、待ち望んだリリエルからの呼び出しはなかったのだが

こっそりと髪に座り続ける姿に、そう遠くはない未来に

躊躇いなく寄り添える日が必ず来る

そう確信していたのだ


………

その後、仕事を辞めたリリエルは

しばらく背負い込みすぎた心の傷に蝕まれていた


常に脳内に白いモヤがかかり

酷い目眩に襲われ、1人で歩くこともままならない


だが、一時でも部屋にこもり、

家事と子育てに専念出来たことは有難いと感じていた


その頃、イザマーレは思わぬ相手から呼び出しを受けた


繁華街の雑多なビルの影に姿を現したイザムの元に

近づいてきたあいつ……リリエルの旦那だった



 

「リリエルの事は、家族全員で守り通して見せる。

だが、心を凍らせた今だからこそ、感じるんだ。

あいつは、静かに声を押し殺して泣きながら、

お前を求めている」


「……」


「なあ、知ってるか?あいつ、俺と最初に会った時

何て言ってきたと思う?」


挑戦的な目を向ける旦那に

吾輩も静かに笑って見せた


「…当然だ。だからこそ、吾輩はお前を許した。」


…私には、誰よりも愛しくて、お慕いする大事な方がいるの

どんな人間の男性も、あの方以上に好きになれる事はない

だけど…二番目に好きな相手となら、一緒になってもいいと思うの……


「もう一度、あいつが立ち上がるその日まで、

俺たちは支えて見せる。

その後は…お前に託していいか…?」


「勿論だ。だが…そう遠い日でもないだろう。

安心しろ。リリエルはお前の気持ちも、

しっかり気づいているようだからな…」




その日の夜、リリエルのマンションで行われた家族会議を

吾輩はしっかりと見届けていた


旦那が口を開くより先に、リリエルが話し出したのだ

「あのね…もう一度、お仕事をする事にしたの。」



 

「!…そうか…」


「うん…長年、この品川の町で縦横無尽に駆け抜けていたから

この場所で仕事をすることは難しいわ。だから、少し離れているけど

生家の近くにしようと思って」


「……」


旦那は、リリエルがこの提案をしてきた時、

娘たちには決して反対しないよう、言い聞かせておこうと思っていた

だが…それよりも先に、リリエルが問いかけた


「リリ、リナ。貴女たちにまた、寂しい想いをさせるけど……」


「全然いいよ♪ママが家の中に居るって、なんかとても変なんだもん」

リナが言う


「(笑)それはお小遣いがもらえないからかな~?」


「アハハ…バレたか(笑)それもあるけど……」


「バリバリ働くママって、すっごくカッコ良くて、好きなんだよね

確かに…ママは授業参観にだって来てくれなかったけどさ

仕事してるママの方が…好きだから…」

ニコニコと言ってきたのは、問題児だったリリ


「…良かった…それでね。次の仕事が始まったら

また合唱団にも行こうと思う。もちろん、閣下のライブにも…♪」


こう宣言したリリエルを、家族全員が笑顔で受け入れていた



 

そうして、少しの間、家族から離れて

自由になる時間を確保したリリエル


週末ごとに参加している合唱団の練習が終わると

仲間と一緒に帰るのだが、一番離れた場所に住むリリエルには

必ず一名になる瞬間があったのだ


「…お疲れ。」


「イザム様…どうして///////」


「ああ、ちょうど仕事の収録があってな、終わったところなんだ。

腹減ってないか?」


「////よ、よろしいのですか?私なんかと…💦」


「もちろんだ。ただし、周りの人間には内緒な♪」


新宿にある、濃厚豚骨スープのラーメンを食べに行ったり

大井町にある飲み屋で軽くお酒を飲んだり…


最初は、イザマーレの活動に迷惑にならないかと、

ビクビクしていたリリエルだったが

一緒に居る時間が増えて、心を解きほぐされていく


新しい職場は、特に感情を突き動かす必要もなく、

淡々と業務に徹していれば良いものだった


だが、あえて駅から離れた場所にある職場を選んでいたリリエル


その往復の間に、ちょっとした事があると

すぐにイザマーレを呼び出すようになっていた


長い時間を共に過ごした、あの要塞の傍にある川原に向かい

ただ肩を寄せ合い、リリエルの話を聞きながら、口唇を重ね合う



 

リリエルが唯一、大好きだった花火大会の日は

必ず一緒に過ごすようになっていた


それでも、リリエルがあの頃の日々について気がつくことはなかった

仕方のない事とはいえ、すこし歯痒く思っていたのかもしれない


その頃、イザマーレはウエスターレンを失いかけ、

彷徨う言霊を抑えきれなくなっていた


たとえ何があろうとも、リリエルに身の危険が迫る事はあってはならない


一時的に傍から離れ、苦悩に苛まれている中、あの災害が起きる


構成員や、時には雷神界の使者も総出で護り抜いたあの聖域を、

まさか己の言霊で破壊する事になるとは思わなかった


だが、それこそ、またとない絶好の機会だと判断したイザマーレは

暗号のようなメッセージを公開したのだ


その暗号を漏れなく受け取ったリリエルに、かつての記憶が蘇る



 

そう…柿の木、松の木、梅の木…

池の周りに沿って作られた、木の階段

森のトンネルにブランコ…


イザマーレの人間界の屋敷には、

かつてリリエルの生家に存在していた要塞の庭が

そっくりそのままの姿で今も存在している


違うのは、黄金の雄鶏がそこには居ない事

だが、羽ばたきもせず、祈る事しかできなかったあの頃とは違う


吾輩は、お前との約束を決して忘れない

リリエル…お前の中に、吾輩は永遠に生きている…



🌷約束 Fin.🌷





 
 
 

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