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紅蓮の決壊


それは、もしかしたら自身が一番願っていたことかもしれない。

自分がいなくても、つねに光り輝いていてほしいと。

愛くるしいお前のことだ。出会った全ての者たちを虜にするほどのオーラ。

その願いは、イザマーレの類まれなる能力も相まって、盤石なものになっている。

それなのに…っ この悔しさは何だ?


その時、苦し気に佇むウエスターレンに気づいたイザマーレが歩み寄る。

「ウエスターレン?どうしたのだ?吾輩なら大丈夫だぞ。」


(イザマーレ、俺はお前にとって、もはや必要ない存在なのか?)


「突然だったからな。防ぎきることができなかったが、

ウエスターレンが居てくれて、心強かったぞ」


「!!!!!!」





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