top of page

紫蘭の決壊


数日後、魔界の高級住宅地ヒバリーヒルズにあるバサラの邸宅で

構成員とLily‘s合同のお茶会が行われた。


「私も、蛍、見てみたいです(≧∇≦)♪」


そんなリリエルのおねだりに応え、

イザマーレからバサラの邸宅に目玉蝙蝠が送られたのはその前日


それを知ったバサラは喜び

「それなら、次のお茶会はここでやろうよ」

と返事が来たのだ


「バサラ様、今日はお招きいただいて、ありがとう♪」

「やあ、よく来たねえ。楽しんで行ってよ。どうぞ~♪」


イザマーレの髪に乗せられ、ニコニコしながら現れたリリエルを

バサラも笑顔で出迎える


「ありがとね、バサラ。よろしく頼むよ♪」

妖艶な笑顔で姿を見せたバサラに、ラァードルが挨拶を交わす


「よし、スプネリア。リリエルちゃん達と、楽しんで来い♪」

「うん、ありがとう。」

ラァードルの髪から降りて、Lily‘sと談笑し始めるスプネリア


邸宅の庭で、優雅なお茶会となった。



夕刻になり、池の周りに集まり出した



バサラはセルダと一緒にベンチに座り、こっそりと用意した

お菓子を取り出して、クスクス笑いながら食べている



 

すぐ近くのベンチでは、メーラが蛍を絵に収めるべく

スケッチブックを用意して待機している。

その横で覗き込んでは、ニコニコと笑うセリーヌ


リリエルとイザマーレは池のほとりで手を繋いでいる

「そういえば、あの川原では蛍はあまり見なかったな」

「…そうですね。蝙蝠はたくさん飛んでましたけど♪」

「たまには、また行ってみるか。そろそろだよな?花火大会」

「!!!!よろしいのですか?!…嬉しい…///////」

思わぬイザマーレの提案に、目を輝かせてワクワクし始めるリリエル


スプネリアはラァードルの隣に佇んでいた

先日、リリエルに想いを打ち明けた事、

さらにイザマーレやウエスターレンにも励まされ

心が軽くなれたと思っていた。長い年月をかけて、ようやくまた

ラァードルと一緒に蛍を眺めることが出来るのも、嬉しい


「…スプネリア?」


せっかくの時間を台無しにしたくなくて、

震えそうになるのを堪えていたスプネリア。

だが、これまでの想いがこみ上げて、

涙が止められず、震え出してしまった


スプネリアの様子に気づいたラァードルが声をかけるが

震え出した自分を抑えきれず、言葉にすることもままならない


「…殿下……っ ずっと会えなかった間、寂しかったけど、

最高魔軍としてご活躍なさっている姿を見れて嬉しかった……そして

いつ帰ってきても良いように、蛍とあの沢を守りたかったのに、出来なくて…

その事をずっと謝りたかったの…でも…っ 嫌われたくなくて……

ごめんなさい……!!!!!」


「何、お前。そんな事気にしてたの?

吾輩、毎年のように見に行ってたんだよ。

雷雲越しではあったけど……

あの沢がなくなってしまったのは残念だよな。

でも、今はこうして一緒に眺められるじゃん。

それを大事にして行こうよ。これからもずっとな。」



 

ラァードルはそう言って、スプネリアを抱きしめる

スプネリアは泣きながら、何度も頷いていた


ラァードルとスプネリアのやり取りを、

遠巻きに眺めていたリリエル。

イザマーレと見つめ合い、にっこりと微笑む。

リリエルの髪を撫で、イザマーレが声をかける


「そろそろ頃合いだな。では、早速行こうか。」


「え…っ ええ?」

ニヤッと笑うイザマーレに、

一瞬キョトンとしてから焦り出すラァードル

スプネリアも同様に固まっていた


「何事にもケジメは必要だ。

陛下に無断でというわけにはいかないからな。」


「!!そ、そうか…でも、いいの?吾輩が一緒に行っても…」


「当然だ。お前の事だろ?だが心配するな。

お前たちの事は、吾輩が責任持って守ってやるから。」


迷いのないイザマーレの言葉に、リリエルも微笑んで頷く


「陛下の事なら私に任せて♪さ、行きましょう!」


イザマーレは、すでにウキウキし始めているリリエルを髪に乗せる

その様子を見て、ラァードルも慌ててスプネリアを髪に乗せる


ドラムスティックでポンと頭を叩く仕草に、

その場に居たLily‘sがクスクス笑う



「準備はできたか?では行くぞ。バサラ、今日は邪魔したな。またな」

そう言いながら、瞬間移動で立ち去るイザマーレ

ウエスターレンとラァードルも後に続く




閲覧数:0回0件のコメント

最新記事

すべて表示

愛のゆくえ

イザマーレの屋敷… リリエルをたっぷりと可愛がりイザマーレの愛に溺れさせ… 眠りについたところで イザマーレはウエスターレンの待つリビングへと出てきた。 ウエスターレンは紫煙を燻らせながらイザマーレを見つめていたが 2魔は一斉に同じ方向に顔を向けた...

結晶の事情

ラァードル、スプネリア達が王室に謁見に訪れてから数週間後 ミカエルが魔宮殿に姿を現した。 ダンケルとダイヤは、ミカエルにその時の事を話していた。 「…リリエル様の昔の事は全く知らなかった…」 ダイヤは思い出しながら言った 「…閣下とここまで来るのに、...

稲妻のお仕置き

翌日、魔界の屋敷に戻ったイザマーレとリリエル 「おかえり。ラァードルたちから目玉蝙蝠がきてたぞ。 何やら雷帝妃から交信があったらしい。」 「長官、お留守番ありがとうございました。お母様から…?」 ウエスターレンに微笑みながら、ワクワクし始めるリリエル 「では、早速行くか。」...

Comentários


bottom of page