ある日の事
執務室にあるリリエル専用のPCに設けられている
『公設秘書/リリエルちゃんの目安箱』に、一通のメールが届いた
「あら?スプネリア様じゃない♪なになに……?」
ニコニコしながらクリックしてみる
『リリエル様、こんにちは~。先日、人間界へ
ボランティア活動で出向いたついでにお買い物をしてきました。
お約束していたパンケーキの材料が整いましたので
是非、御馳走させてください。お返事お待ちしてます♪スプネリア』
「…キャー(≧∇≦)、嬉しい♪パンケーキかあ…」
リリエルは喜び、ワクワクしながらスケジュールを確認する
そこへ、ウエスターレンと甘い時間を終えたイザマーレが執務室に戻ってきた
「リリエル?どうした。何やら嬉しそうだな?」
「あ、閣下♪お疲れ様です。ウフフ♪スプネリア様から嬉しいお誘いが…」
イザマーレを見つめて微笑むリリエルの髪を撫でながら、一緒にPCを覗き込む
「…なるほどな。良かったな。」
内容を見て、若干テンションが下がるイザマーレだが
嬉しそうにワクワクしているリリエルを見れば、悪い気はしない
「リリエル、返事を出しておけ。当日は吾輩とウエスターレンも参加すると。」
「!!!ホントですか?……キャー(≧∇≦)嬉しい~♪♪」
思わぬイザマーレの言葉に、喜んで抱きつくリリエル
数日後、イザマーレはリリエルを髪に乗せ、
ウエスターレンと共に元老院を訪れた
……
ボランティア活動も無事に終わり、
迎えに来てくれたラァードルと合流したスプネリア
「おかえり、スプネリア。お疲れさん♪」
労いの言葉をかけながら、優しく抱きしめるラァードル
「……た、ただいま、殿下」
少し照れながら見上げると、そっと口づけをされるスプネリア
ひと時、抱き合う…
その時ふいにラァードルが言い出した
「魔界に戻るまでにまだ時間あるよな?どこか行きたい所ないか?」
スプネリアは突然の提案にびっくりしたが、
ラァードルと人間界で短時間でもデート出来ると思うと嬉しくなり、
ある事を思いついた
「じゃあ、買い物に行きたい!久しぶりにパンケーキ作りたい♪
リリエル様にもお礼も兼ねて是非ご馳走したいし♪」
「お!スプネリアのパンケーキか、すげー久しぶりじゃん♪
材料を買い揃えたいのね?いいよ、行こうか」
ラァードルが返事した瞬間、大型スーパーに移動していた
ラァードルと並んでカートを押して、
パンケーキに必要な材料を吟味していく
ニコニコして嬉しそうなスプネリアを見て、
ラァードルも嬉しくなる
ある程度買い物が終わり、
少しお茶でも飲んで帰るか、となった時
「殿下、ここで少しだけ待ってて!」
突然そう言って雑貨屋に入って行ったスプネリア
しばらくすると
買った品物が入った袋を大事そうに持って出てきた
「何買ってきたの?」
「当日まで内緒♪」
袋の中身が気になったが、パンケーキパーティーの当日まで
楽しみにしておこうとラァードルは我慢した
元老院に帰ったその日
ボランティア活動から帰ってきた報告と
パンケーキパーティーへのお誘いメールをリリエルに送る。
するとすぐに出席するとの返信メールが届いた
イザマーレとウエスターレンも一緒に出席するという
嬉しい返事だった
ラァードルにメールの内容を伝えると
「サムちゃん甘いもの苦手なんだけど、大丈夫かな?」
ちょっと心配そうに教えてくれた
「じゃあ閣下の分は出来るだけ甘さ控え目かな?!」
「甘さ控え目でパンケーキ焼いてあげればいいよ!
吾輩はトッピングで甘さマシマシにするから!」
閃いたように目を輝かせて叫ぶ子供の様なラァードルに
スプネリアは微笑んでいた
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