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花にご用心


数日後、リリエルはこっそりプエブロドラドを訪れた。

Lily‘sにもダイヤにも気が付かれないように…

問題を起こす古参信者に直接会って確かめる為だ。


リリエルが見つける前に向こうから声をかけてきた。

一見ほんわかしてるリリエルの外見だけで

新参信者と勘違いし、偉そうに話し出す。


「あら?貴女最近この村に来た信者?」


リリエルは微笑んで頷いた。


「私は色々知ってるからさ~」


「そうなのですね!素敵ですよね。構成員の皆さ魔…」


「当然よ!私は一番良く知ってるし誰よりも愛してるから!」

気を良くした古参信者は調子に乗って話し始めた。


リリエルは微笑みながら聞いていたが…


「でも不思議よね~なんで閣下があの馬鹿女に愛契約結んだのかしら?

馬鹿女が降格して今やここの警備やってるのよ。」


「…え?」


「私なら契約解除なんかさせないようにずっと傍にいるのに!笑っちゃうわ」


「そうですか…。ですが、仮にその話が本当だとして、

あなたは、愛契約の決断をなさった閣下の御意志まで見下されるのですか?

一度は選ばれたという事は、それなりの理由があったのでは?」


「だから不思議なのよ。あいつムカつくから消えてくれないかしら」

ケタケタ笑っていた



 

リリエルが去った後

古参信者の前に悪魔師団のスタッフが現れ取り囲んだ。

「さる方々がお呼びです。こちらへ…」


古参信者は驚きながら付いていった

プエブロドラドの外れにある新しく建てられた場所だった。

部屋に通されて彼女は待たされた。

悪魔師団に案内されたので、

(もしかして…構成員に会えるかも)とワクワクしていた。

そしてまた勘違いしていた。古参だから選ばれたと…


構成員が全員揃った。中央に鎮座したイザマーレが冷徹に宣告する。


「今までの行為、暴言様々な事は全て知っている。

お前の入村資格を永久剥奪する。

人間界に行くか、魔界で幽閉されるか選べ」


彼女が唖然としている中、事務方としてリリエルが姿を現した。


「!!あんたは…!あんたがチクったのね!…違います、閣下!

色々聞かれて、言わされただけです!

最悪だわ!信者じゃないくせに!」

リリエルを睨みながら言った


「リリエルのことか?こいつがどうかしたか?」

イザマーレは不敵な笑みを浮かべて問いかける。


「決めました!

こんな非礼な者や無知な信者がいる村になど、居たくありません!

私だけが住める住居を提供してくださるのでしょうか?

貴方たちを昔から追い続けた最古参である

私に対して、当然ですよね?」


「それがお前の望みか?だがお前に選択の自由はない。

物事の真贋も見極められないお前など、

信者である資格もない。即刻、つまみ出せ!」



リリエルに対する古参信者の暴言は

イザマーレの逆鱗に触れ、

問答無用で人間界へ追放された。

…当然の報いである。



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