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花に焦がれる


悪夢を見たダイヤは、裕子に話をしながら

俯いてご飯を食べていた。


「リリエル様?だっけ?

なっちゃんにとって、どんな人なの?」

裕子はモグモグ食べながら聞いた


「大切な方…閣下と同じ位…」

ダイヤは頷きながら呟いた


「でも焼きもち焼いちゃうんだ…」

裕子はお茶を飲んで笑った


「…うん…皆から可愛がられてるし…」


「…違うんじゃないの?

閣下に可愛がられてるのが気に入らないんじゃないの?

そこからだよ…直すのは…

あんたは大魔王の妻。閣下は夫でも何でもないんだから。

夫は大魔王なんでしょ?

あんたが愛されたいと思ってるのが閣下だなんて

大魔王にバレたらどうするの?

八つ裂きされるよ?冷徹な悪魔なんでしょ?」


ダイヤは何も言えなかった…


「…話聞いているとリリエル様って人、

そうとう心が広いんじゃないの?」




 

裕子に言われ、ダイヤは頷いた


「…やっぱりね…分かる気がするわ。

あんたが怪我した時とかも閣下に助けられたんでしょ?

どう助けられたか知らんけど…

なっちゃん少しリリエル様を見習いな。

人間でもそんな広い心持ってる人なんか居ないんだから…ね?」


裕子は微笑んだ




「そ~だ!久々に花の美術館へ行こうよ!気分転換に!

…その真っ黒い服はちょっとな…服貸すから着替えて~!」


裕子に促されて2人は花の美術館へ向かった







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