top of page

花のおねだり


リリエルの前に再び扉が姿を現した

ここに…閣下がいらっしゃる。

どんな事があっても…必ずお救いしてみせる…


「ここからは貴女様1魔で…」

案内した悪魔が頭を下げ下がって行った


リリエルは扉を開け中に入った


「閣下、お待たせして申し訳ありません」

リリエルはイザマーレに微笑みかける


イザマーレは牙を覗かせ、苦悶の表情を見せていた。


「お前にこのようなおぞましい姿を晒すことになろうとは…

すまないな。見ての通り、今吾輩は

自分をコントロールすることができない……」


「リリエル、お前を生贄にするわけにはいかない。

一足先に黄泉の国で待っていろ。

自我を失えば、吾輩もすぐにお前のところに逝ける

だから…っ」


呼吸が荒くなりながら、

最後までリリエルを守ろうとするイザマーレに

リリエルは抱きついた


「リリエルの最期のお願いです。

私を殺めてください…でも必ず助けてください。

閣下を決して孤独にはさせません!!

我儘をお許しください。閣下……」


「…分かった。リリエル、覚悟しろ…」



 

イザマーレは自らの腕を爪で引き裂いた。

鮮血がリリエルの顔にかかるが、

リリエルはイザマーレの目を見つめていた


「…リリエル、吾輩の血を飲め。

頼む…最悪の事態を回避するためだ」


「…はい……」



リリエルはイザマーレの腕に滴る血を飲み始めた

リリエルが口の周りを鮮血で染め

必死に飲み続ける姿を見た途端、イザマーレは理性を失った


その場でリリエルを押し倒し服を引き裂いた

肌に爪を立て切り裂いていく…

傷ついた肌を舐めながら味わい、リリエルの肌を切り裂いていく…

リリエルを起こし口唇を重ね舌を絡ませた

痛みに耐えながらリリエルはイザマーレの首に手を回していた。

口の中はお互いの血の味で気が遠くなりそうだった

深く口付けをしたイザマーレは

リリエルの首に牙を食い込ませて引きちぎった。

引きちぎったリリエルの肉も食べ、溢れだす鮮血を貪り飲み続けた




 

リリエルの血がほぼ身体から無くなりかけた頃…

やっとイザマーレは理性を取り戻した


真っ赤に染まるリリエルの身体…

グッタリと身体は反れ息もしていなかった


「…リリエル…」


震える手でリリエルの顔に手を添えた。













 

「……っ…」


これまで散々傷ついてきたリリエルに

なぜここまでの苦痛を与えなければならないのか…

己の宿命を呪いたくなる


イザマーレは直ぐにリリエルを元の身体に戻し、

彼女に生命を吹込んだ

だが、リリエルが眠りから覚める事はなかった


…このままリリエルを寝かせたままにすれば

これ以上傷つける心配もなくなる。だが…


それでも吾輩は、リリエルを手放せない

これからも、決して離しはしない



だから戻ってこい!!リリエル…





閲覧数:1回0件のコメント

最新記事

すべて表示

季節は巡り、二度目の春を迎えた ウエスターレンは一魔、 プエブロドラドに植えられた桜の木を眺めていた その表情は、とても優しく穏やかだった そこに現れる影… 「…おかえり、イザマーレ。そしてリリエル。 待っていたぞ♪」 イザマーレがリリエルを髪に乗せ...

喝采と悪戯

イザマーレとリリエルが居なくなってから、ダイヤは奮闘していた。 ダンケルが公務に支障がないよう動いたり、 ウエスターレンの心情を考え、 出来る限りダイヤがダンケルの護衛にも当たっていた。 ちょうど儀式から1年半が過ぎた頃… 公務の護衛や自分の仕事に終われ...

秋が過ぎ、冬が訪れても リリエルの魔力は完全には回復しなかった 副大魔王の力をもってすれば、エナジー注入により あっという間に回復させられそうなものなのだが… 「…閣下、本当に申し訳ありません。私のせいで…」 イザマーレは少し目を反らしながら...

Commentaires


bottom of page