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花の値踏み


ウエスターレンに相談してから1週間後…

プエブロドラドで巡回中のダイヤの前に

リリエルとイザマーレが姿を現した


「ダイヤ様!」

リリエルはいつものように微笑んでダイヤを見つめる


「あ!!リリエル様~♪」

お互いにハグをして2魔はキャーキャー喜んでいた


「…おぃ…(怒)」


ハグしているのが気に入らないイザマーレ。

ダイヤも気が付きニヤニヤして、更にリリエルをギュッと抱きしめる

「閣下もお久しぶりですね♪リリエル様も~!」


「もうハグはいいだろ(怒)ウエスターレンから聞いた。

その後はどうなのだ?」

イザマーレは何とかリリエルを引き離して抱き寄せ、尋ねた


「…私を見つけると、必ず陛下の身近な話とかを聞き出そうとします。

最近は公務の話を…まぁ…私が話さないから、

必死に聞き出そうとしてますけどね。

すると毎回のように、人間界で陛下とお付き合いしていた頃の話をしてきて

イライラさせるのです!私と陛下を別れさせたいのかな?

下手したら、直接陛下に会おうとして宮殿に乗り込んで来そうなタイプだな…」


ダイヤは考え込んで首をひねった


「陛下には話したのか?」


「まだ…話してません…

閣下もご存知の通り、公務で最近特に遅いですからね…」


ダイヤの話の途中で突如イザマーレは姿を消した


「…??!?」

驚いたダイヤは焦ってリリエルを見る。


だがリリエルはいつもの通り落ち着き払って、微笑みを浮かべている




 

「こんにちは~ダイヤさん。あら?副大魔王のお妃様まで…」

声を掛けてきたのはルイだった。


ダイヤもイザマーレがいきなり姿を消した理由が分かった。


「…はい…ど~も…」

ダイヤは警戒しながらルイに返事をした


「今日は麗ちゃん宮殿に居るの?久々に逢いたいんだけど…」


「…はぃ???」

ダイヤはイライラしてルイを睨んでいる


「あぁ…副魔王のお妃様はご存知ないかと思いますが…

私と陛下は人間界でお付き合いしてましたの。

この女子力ない方と結婚されるとは…」

自慢げに話し始めるルイ。


散々馴れ初めを聞いた後、リリエルは物静かに語り始めた


「…貴女…最近、ご自分の姿を鏡で見たことがあるのかしら?

その程度で『女子力』?笑わせないでくださいませ。

貴女は一度も、陛下に選ばれた事などないのですよ。

ほんの気晴らしにつまみ食いされて、捨てられただけ。」


リリエルの言葉にルイは唖然としてイライラしている。

ダイヤはこれまで聞いたことのないリリエルの話し方に固まっていた


「陛下は見る目があるって事ね。

貴女ではなくダイヤ様を選んだ。さすがだわ。

陛下の心を穏やかに出来るのはダイヤ様だけ。

悪いけど、貴女では到底無理ね♪」

リリエルは微笑んだ


「な、何ですって!?」

ルイが声を荒げた




 

「これ以上ダイヤ様に近寄らないで。

ダイヤ様に対する侮辱は、私に対する物言いと捉えさせてもらいます。

ふふっ、良いのかしら?わざわざ姿を隠してくださったあの方を

怒らせても……♪♪」


「!!」


不敵の笑みを浮かべるリリエルに驚愕し、震えを隠して睨み続けるルイ




(…そんな程度で良いだろう、リリエル。後は、吾輩に任せておけ)


テレパシーで聞こえるイザマーレの声に、

いつもの天真爛漫な微笑みに戻るリリエル


歯をギリギリさせているルイを尻目に、リリエルはニコニコしていた


「ダイヤ様。行きますよ♪では…ルイさん…ごきげんよう♪」

リリエルはダイヤの手を引いてその場を後にした




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