top of page

花の目覚め


イザマーレはリリエルを悪魔として目覚めさせる為の儀式を始めていた。

ベルデが施術を行い、ウエスターレンが見守る。


リリエルにとっても人間から悪魔に甦る時間はかなり苦痛であった。

儀式を終えリリエルが目覚めれば、そこでようやく悪魔になれる。

だがそれまでは、かなりの時間が掛かった。


イザマーレは寝る間も惜しんでリリエルに付き添った。

リリエルが目覚めたのは、すべての儀式を終えた数日後だった。


「……閣下…?」


手を握って見つめているイザマーレ…

リリエルはホッとして微笑んだ


「おかえり…リリエル」


イザマーレは手の甲に口づけをした。

リリエルに漲る魔力があるのが分かる。


「…私…?」

「人間としての天寿を全うし、悪魔として目覚めたのだ。

もう、何も心配はいらない」


イザマーレは嬉しそうに抱きしめる。

口唇を重ね、リリエルと愛し合う。

2度と手放さないように…



next                        目録に戻る


閲覧数:0回0件のコメント

最新記事

すべて表示

宙のちから

最期はイザマーレの腕の中で逝けた… ダイヤは意識が切れる直前まで幸せだった。 ふと目を覚ました…地獄に突き落とされたかな?と思い顔を上げると 元情報局の長官の部屋のベットに横になっていた。 驚いて見回すと机の上に3通の手紙と黒い軍服が置いてあった...

永訣の朝

最期を迎える朝が来た…ダイヤは目を覚ました。でも…何かが違う… 部屋を見渡し気が付いた…忘れようとしても忘れられない… かつてイザマーレと愛契約を交わした部屋に居たのだ 「…ここ?処刑場って…」 ダイヤは呟いた。最期の最後にここで消滅…...

宣告

その頃ダンケルは、ダイヤの部屋にいた。 「陛下…」 ダイヤは起き上がりダンケルの顔を見た 「もう、お前は長くはない。苦しむ前に楽にしてやろう。 明日お前の元に刺客が来る。私と顔を会わせるのは、今が最後だ」 冷酷な言い方だった。...

תגובות


bottom of page