ウエスターレンの呼び出しから解放されたダイヤは、
ようやく魔宮殿へ戻ってきた。
案の定、ダンケルはご機嫌斜めであった
「戻って参りましたー!陛下」
ダイヤはダンケルに抱きついた。
ご機嫌斜めなのは顔を見れば分かったから…
「儀式の直後だというのに(怒)
ウエスターレンも何考えてるのだ!ダイヤお前もだぞ!」
ダンケルはムッとして言った
「そんなに不機嫌にならないでくださいな!
一応最後まで済んでたじゃないですか、嬉しかった~!」
リリエルのようにニコニコして言ってみるが…
「馬鹿言え。儀式なんだからいつもとは違うぞ!
リリエルたちだって数週間は出てこなかったんだぞ!」
「……はぃ?」
驚いて目が点になったダイヤ。だが……
(…たしかに、さっきも全然出てくる気配なかったな……(汗))
「ほら見ろ!私にだってそのくらいの権利はあるはずだ!
あいつらの最長記録にせめて並ばなければ
大魔王としての威厳がっ……」
「!……はぁ、陛下…」
心を読まれて驚きつつ、ため息をつくダイヤ。
「陛下…あの2名は特別すぎるんです!!
私たちは普通に!お願いします!!!
身体が持ちませんから!…半端ないな…パワーが…」
ボソッと呟いたダイヤの言葉に、ダンケルはさらに怒りがこみ上げた。
「……半端ない?それは当然だ!私を怒らせた罪は重い!
お仕置きだ!さぁ儀式の続きだ!」
次の昼近くまでたっぷりと可愛がられ、
ダイヤはダンケルの腕の中でぐったりしていた。
(……閣下…リリエル様……半端ないな、本当に(汗))
魔王レベルの求愛に懲りたダイヤ。
それからは夜の営みも、仕事の前は禁止などと言い始めた。
ダンケルは毎日のようにダイヤを愛したいのだが……
拒否されて無理やり事に及ぶわけにもいかない
こんな時は、と思い立ち、イザマーレの元に相談に行った
「陛下。もうダイヤは陛下の妃なんですから。
毎日愛したいと言うお気持ちはわからなくもないですが…
陛下御自身も我慢は必要です」
イザマーレは苦笑しつつ、律儀に応じる。
「必ずあいつから甘えて来る時があるはず。
しかし、時には陛下からも拒否しなければなりませんぞ。
いつまでも甘やかしは禁物です。
元々、あいつは甘ったれなのに照れ屋ですから。
口に出す言葉と心は正反対。
それは、陛下もよくご存知でしょう?
簡単に甘やかしては、また手の付けられない
以前のダイヤに戻ってしまいますよ。」
イザマーレは微笑んで助言した
ダンケルはイザマーレの助言の通り、
時には拒否し、時には求めてくるダイヤを受け入れたりした。
それによりダイヤが再び暴走することもなく
夜の営みも夫婦生活も、今まで以上に上手く行くようになった。
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