執事兼宮中取締役のレン
彼は実は、最も美しい音色を奏でるギター奏者なのだ
だがそれは、イザマーレ15世の言霊をより輝かせるためにあるもので
日頃、どんなに周囲の者に誘われても仲魔に加わろうとはしない
レンの頑固な意思を嬉しく思いながらも
その才能が埋没することを誰よりも惜しく思っていたイザマーレ15世
さて、この日もレンを誘い込むことに失敗したセルダ公爵は、
ラァードル殿下に近付いて「音楽好き?」と敬語もなく話しかける。
「吾輩はドラムを…」と話す殿下の言葉を遮り
「ドラム出来るん?セッションしよう♪」
と腕を掴んで別の部屋へ向かう
横ではゆまチンが持参した、へんてこな発明品を
意気揚々とスプネリア妃に見せて説明している。
妃は笑顔で「これはどうなりますの?」と穏やかに相槌を打つ
表舞台に飽きたデュ・バリエ夫人を連れて、
彼らの部屋に訪れたイザマーレ15世
頑な意思とは裏腹に、誰よりも音楽を愛するレンの心は
ウズウズし始めている。
同じように芸術全般を愛で続けるイザマーレ15世も
彼らの奏でる音に酔いしれる
「良いではないか。吾輩はお前のギターを
もっとたくさん聴きたいぞ、レン💕」
可憐な笑顔で誘うイザマーレ15世に根負けして
レンもその場に加わり、ひと時のセッションに明け暮れる
噂を聞きつけたバサランドレも、慌てて仲魔に加わる
「え!すっごいカッコ良いじゃない。俺も混ぜてよ~」
彼らのやり取りを、にこにこと微笑みながら
見守るデュ・バリエ夫人…
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