top of page

逃げ惑う花


数週間後、ラドルが懲役を終え、退院したランソフと共に

人間界に降り立ち、エマも人間界の屋敷から時折

衣装魔として行き来をするようになっていた


この日も、いつものように

裕子はリリエルを誘い、市場へ買い物に出かけた


市場で出くわした下っ端悪魔は、

リリエルを見た途端、涙を流して喜んだ


「裕子さんから聞きました。心配してくれたんですね。

ありがとうございます♪」


「お妃様に何かあっちゃまずい!

バサラ様に頼んで、市場内に自警団を作ります

お妃様の安全は俺たちが死守しますんで!!」


にっこり微笑むリリエルに、裕子は改めて尊敬していた


楽しく談笑しながら屋敷の前まで来た

いつもなら、屋敷の中でお茶を淹れてくれたり

もちろんそのまま、別れることもあるのだが

この時は様子が違った


「じゃあ、リリエル様、また……」

「う、うん…あ、あのね、裕子さん」


「?」


「良かったら、裕子さんのお部屋に

行ってもいいかしら?たまには、ゆっくり

お話もしたいし♪♪」



珍しいこともあるな、と思いつつ、

リリエルからの嬉しい提案に

「勿論ですよ」

と、笑って承諾する裕子



 

リリエルはこの日、朝から嫌な予感がしていたのだ


エマたちが姿を消してから数日、

これまでの我慢の日々を解消すべく

イザマーレとウエスターレンは共に休暇をもぎ取り

寝室の扉を消していた


そろそろ、休暇もあとわずかになってきた今日、

人間界にいたエマから荷物が送り届けられた


「リリエル様、閣下に頼まれたお品物、

お届けに上がりました。」


荷を解くと、パンデモニウム宮殿での晩餐会の時に

閣下に出してもらった翡翠のロイヤルドレスだった


「………(汗)」


行き先を告げないのは叱られるので

とりあえず

「裕子さんと遊んできます」

と、メモを残し、裕子と一緒に魔宮殿へ向かった


ダイヤは、ダンケルとプライベートルームにいたが

リリエルが来てくれたことに喜び

裕子と一緒に、いろんな話をしながら楽しく過ごしていた


ピシッ……


わずかに破裂音が聞こえた


「?」




 

強力な結界が張り巡らされている魔宮殿で

地震?おかしいな??とダイヤは首を傾げたが

だんだん振動も激しくなってきた


「大変!どうしちゃっだろう?」

ダイヤは立ち上がり、当たりを見回す


だが、フッと見返すと、

それまで笑顔でいたはずのリリエルが

カーテンにくるまり、隠れて震えてる。

心なしか、顔も赤くなっていた


「?リリエル様?どうしました?」

裕子も不思議に思い、問いかけた時


ダンケルが慌てた様子で現れた


「ヤバい!アイツらが束になって来やがった

ダイヤ!逃げるぞ!リリエル!魔宮殿を巻き込むな!

さっさとアイツらの相手をしろ!」


そう叫んで、ダイヤを連れてプライベートルームへ消え去った


真っ青になった裕子の前に

炎の魔法陣が現れ、イザマーレとウエスターレンが姿を見せた


リリエルは震えながら呟く

「か、閣下…、長官……

私はずっと、いい子にしてたハズなんですが…(^-^;」


「リリエル~逃げ出して、隠れんぼとは、いい度胸だな。

たっぷり可愛がってやる。来い♪」


2魔にガッシリと抱き寄せられ、連行されるリリエル


呆気にとられながら、見送る裕子

「ま…まあ、大丈夫かな?リリエル様、頑張って~」




 

僅かな抵抗むなしく、屋敷に連れ戻されたリリエル


「さあ、リリエル。お着替えの時間だな♪」


ウエスターレンが後ろから抱きかかえ、押さえつける

イザマーレはリリエルの口唇を塞ぎ、舌を絡ませる

途端に翡翠のロイヤルドレス姿になるリリエル


「リリエル…綺麗だ…」

ウエスターレンが押し倒し、口唇を重ねる


イザマーレがゆっくりとドレスを脱がせながら

リリエルの肌に舌を這わせる

背後で抱き抱えたウエスターレンも首筋に舌を這わせる


「ああっ…はあん……いや……」


2魔の熱い愛撫に、大洪水になる入り口に

指をあてがい、奥まで差し込む


「リリエル…こんなにドレスを汚して……

可愛い奴だな、綺麗にしてやろうな…」


2魔の熱い舌で、立て続けに舐め尽くし

その蜜を思う存分味わう

熱に浮かされ、淡いピンクに色づく身体を

何度も抱きしめ、愛し合う


鉄壁の絆に愛され、綺麗に咲き誇る百合の花


何度もお預けをくらった炎のお仕置は

しばらく終わりそうにない………






閲覧数:0回0件のコメント

最新記事

すべて表示

友情の種

数日後、裕子が人間界から戻ってきた。 今までの出来事をダイヤは裕子に話して聞かせた。 「…そんな事があったんだ… なっちゃん…まだ気にしてるでしょ…?」 裕子に言われてダイヤは俯いた 「…ほらぁ!!元気出して!!閣下も陛下もリリエル様も…...

闇と薔薇

魔宮殿に飛ばされたダイヤは、 自力でダンケルが居る執務室前に降り立った 「…ふふ~ん!少しはコントロール出来たかな♪ てか…また飛ばされた(^-^;」 大抵は飛ばされ魔宮殿のどこかに落とされる。 気を抜けばそのまま落ちて身体を痛める…。...

調教

ダイヤを飛ばし、やれやれとため息をつくイザマーレ エマは納得してない顔をしていた。 「…閣下…あんなに叱っても、ダイヤさんはお咎め無しなのですか? 陛下の后だから?私は痛い目にあわされたのに」 エマはムスッとしていた。 イザマーレは含み笑いをしながら剣を出し、エマに向ける...

Comments


bottom of page