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雷帝妃の悲痛


Lilyelが磔にされ、身体を引き裂かれた瞬間、

実母である雷帝妃は凍り付き、悲嘆に暮れていた

雷神帝は彼女をひたすら抱きしめ、慰める事しかできなかった


終始一貫、己の私利私欲のために暴虐の限りを尽くしたゼウスに対し

これ以上ない怒りが湧き上がる


それは、雷神だけではなく、

この世を司るすべての意思を動かすきっかけとなった


魔界では…

あかずの扉で、Lilyelの最期を見送ったウエスターレンは

彼女の忘れ形見である花の種を片時も離さずにいた

イザマーレとLilyel…己の分身とも言えるほどの宝を同時に失い

自我を失いかけた時、邪眼によって読み取っていた

Lilyelの本来の姿である、百合の花の出生の秘密を…


そしてLilyelが処刑されて一年が過ぎた頃、

魂の眠る花園に訪れたイザマーレの意思が結実するよう

雷帝妃と手を取り合い、祈り続けていた雷神帝


やがて10万年の時を経て、人間として生まれ変わったリリエルを

イザマーレが陰になり日向になり見守り続けていることを知らされる

愛を失ったはずのイザマーレが示す、途轍もない愛情の深さに

心の底から喝采を送り続けていた


雷帝妃の娘が再び生命を宿し、人間として生まれ変わった事を

風神帝も同じように喜んだ。紫蘭の花の化身である彼の妃が懇願し

リリエルの生きる人間界に、風帝妃の花の種を蒔き、見守り続けていた




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