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イザマーレは自力でヨッツンハイムから甦ると、
必死で探し、黄泉の花園に眠るLilyelの魂を見つけた。
神に凌辱され、処刑されたことを示す名が刻印された魂では
悪魔として生き返らせても、悲しみの記憶を消すことができない。
イザマーレは刻印されていた名「kyliel」から処刑を意味する「kill」を切り離し
自らの言霊で取り戻した感情のうち、「愛」の結晶をリリエルの魂に宿した。
そして、切り離した「kill」を「ダイヤ」に変えた。
生き残る可能性は低いが、魂だけでも浄化してやりたかったのだ。
リリエルの転生に合わせ、
自らも人間界に降り立ち、近くにいた人間に入り込んだ。
リリエルは記憶を失っていたが、
宿した愛の結晶が根付いていることも確認できた。
だがその時は、入り込んでいた人間の死に合わせて魔界に戻るしかなかった。
その頃、地獄で彷徨うダイヤを見つけ、命を救うことに成功した。
安堵したイザマーレは、リリエルを取り戻す決意を固めた。
リリエルの物心つく年齢に合わせるため、過去に行く。
そこで自らの魔力を封印し、己の記憶をすべて削除させてから、
イザムとして人間界に潜伏した。
イザマーレを守り抜くため、ウエスターレンも同じ道を進む。
やがて封印が解け、悪魔として復活後、リリエルに最初の夢を見せる。
イザマーレを支え続けるウエスターレンと、揺るぎない関係で結ばれる。
大魔王陛下になったダンケルから許可され、人間界で活動を始めた頃から、
イザマーレはリリエルに夢を見せ続けた。夢で語り合い、歌で励まし続けた……
記憶を失ったままにも関わらず
かつてと同じように愛情を向けてくるリリエル。
そしてついに髪に座りたいと願い出たリリエルを、
「契約」という言葉で安心させていた
人間界での彼女の幸せを壊さず、その笑顔を守り抜くために……
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