イザマーレとリリエルの歌声が溶け合い、
風が、森の木々が、雲が酔いしれる
リリエルの手の平に乗せていた種が
天空に向かって浮かび始める
「リリエル様……」
特設ステージの下で、見上げているLily‘sは
2魔の旋律に酔いしれながら、熱い思いを抱き始めていた
「ねえ!!私たちも協力できないかな」
「そうだよ!たくさん練習したもん!
大好きなこの曲、私らも歌いたいじゃん!!」
「そう言ってくれると思っていたよ♪さすがだな」
「上手ステージ、下手ステージの配分は俺たちに任せるじゃんね♪」
Lily‘sの言葉に笑顔を見せるバサラとセルダ
「君たちの歌声も混ざれば、イザマーレの力も
より強く活かされるだろうね。お願いしていいかな?」
ベルデもニコニコしながら、のんびりと告げる
パンデモニウム宮殿の広場に集うLily‘sも、一緒に歌い始める
彼女たちの歌声に気づいたリリエルとイザマーレは
笑顔で見つめ合う
そして、天界に向かい歌い上げる旋律に
かつてない力が湧き上がる
噂を聞きつけ、嬉々として駆けつけたのは雷神帝と風神帝
彼らの妃たちの種の粉をオーラに変えて
旅立つ種の行く先を見守る
天界の宮殿で、修復できずにいた結界の亀裂から
聞こえてくる歌声と届けられた花の種に
涙を浮かべながら、静かに見つめるミカエル
堪えきれない涙の粒が、受け取った種に触れた瞬間
宮殿の周りを埋め尽くすほどの花畑が誕生する
ゆっくりと発芽し、蕾をつけ、やがて花開く
強烈な光一色の天界に、色とりどりのコスモスの花が咲き誇る
魔界を呼び起こさせるその光景に、ミカエルの心は洗われ
ゼウスや、その他の天使たちは恐れ戦く
ウエスターレンの邪眼を通して見届けた、天界の様子に
イザマーレとリリエルは微笑み合う
そして、もう一つのメッセージを言霊に乗せた
「ミカエル。今後も天界のことはお前に任せる
お前の部屋にある結界の亀裂は、塞ごうがそのままにしようが
構わない。お前に任せる。ISAMRa」
「何なら、その亀裂を利用して
魔界との交信用に堂々と飾ったらどうだ?
必要なら、力を貸してやるぞ♪ウエスターレン」
「ミカエル様…秋になり、コスモスが花を咲かせたら
また魔界にいらしてくださいね。私も閣下も、
お待ちしています。もう二度と来てくれないなんて
駄目ですよ?陛下もダイヤ様も寂しがりますから♪リリエル」
Fin.
コメント